ある日、私は
夜の街を歩いていた。





ビジネス街と繁華街の
ちょうど境目あたりにあるその街が
私はなぜか好きだった。





一昔前までは商人で賑わっていたのに
今は様変わりしたことで
その土地の集合意識が混雑し、

見えるモノも見えないモノも
色々とカオスな状態になってる街。







この辺りは
「この道はスッキリと氣が良いけど
隣の道は邪気だらけだ」といった具合に


道1本違うだけで氣が全然違う街


私はここを歩いて
氣の違いを体で感じ比べて
体感を鍛えて遊ぶことが好きだった。





良い氣の道から
少し邪気が増える道へ行く
その『狭間』のあたりにさしかかったとき、

バカデカい黒豹の顔
ドォン!!!と現れた。






ああああぁっゲッソリハッ





顔だけなのに20mはあった。





【陰の氣】がものすごく強くて
体がゾワゾワガクガクする。





俺にもお前のエネルギーを
喰わせてくれよ。


黒豹は私にそう言った。



 

嫌ですぅぅぅえーん
ごめんなさいぃぃぃえーん
帰ってくださいぃぃぃえーん






全身に鳥肌が立つほどの陰の氣で
その鳥肌も
一向に消える気配がなく、

ずっと鳥肌のまま。






それほどの強い陰の氣の生き物に
出会ったのは
その時が初めてで

咄嗟に

コレ、今までの
眷属とかじゃない。
魔界の門番だ。」

と感じたのだ。







ディズニー映画【Aladdin】の中に出てくる
コレだ。
↓↓↓

※お写真お借りしてます




こんなんがいきなり現れて

喰わせてくれって言われて

ハイ喜んで!とは

ならんて。



この時は

見えない生き物が人のエネルギーを食べる

ということも知らなかったので


いきなり

「喰わせてくれ」と言われて

意味がわからなくて

私はとても怖かったのだ。






大きな【陰の氣】は

私にまとわりつき、

どうやらついてきてしまったようで


その時から3日間、

私はゾワゾワする陰の氣を感じながら

過ごした。





この時はまだ

スピリチュアル初心者だったし


私はこんな

オカルト系の話を書いてるので

怖いものが平気なように

思われるかもしれないが


どこの誰よりビビりなのだ。





ユニバのハロウィンナイトのゾンビに

心底ビビり散らかすほどで

お化け屋敷なんてもってのほかだし

妖怪だって

元々は本当に怖いと思っていたし

とにかくオカルト系は全部ダメなのだ。





なので

こんなおっそろしいのが

ついてきちゃったなんて

大パニックだった。





だけど

3日も経つと

そんなに悪い子って感じも

しない……かも……

と思い始めた。





そして私は

彼とコミュニケーションを取ることにした。





「あのさぁ、

喰わせてくれっつーのはさぁ、

もしかして

エネルギーを喰うってこと?」




「お前は美味そうだ。」





怖ぇよ……えーんえーんえーん




「私の体を食べちゃうワケではないよね?

私のエネルギーを食べるってことだよね?」



私は

体から直接吸われるだとか

バクっ!とされるとかは

怖いから嫌なので


手でエネルギーを出せないもんか、と

試してみた。





両手を合わせて

綿あめを包むように


そしてそれを

少しずつ大きくしていくようなイメージで

手をほわほわと合わせてみた。






すると

手の間に何かある感覚が出た。





おお……

これが【エネルギー】【氣】なのかな……




私は試しに

「コレ食べる?」

彼に与えてみた。





ぽい。っと口元に向かって

投げてみると

バクン!と食べて

何とも幸せそうな顔をしたのだ。





それを見て


ああ、そうか

【魔界の門番】だから

邪悪なエネルギーしか

食べたことないのかなぁ~……


そらさぞかし美味かろうな


と思った。





それから私は

ぽいぽいと

たまにエネルギーを与えていた。





私は彼をベンと名付けた。




「餌与えてるから

私、飼い主だね( *´꒳`*)


護ってね( *´꒳`*)



私はこうして、またスカウトした。





ベンはゴロゴロと喉を鳴らして

私に寄り添ってくれるようになった。






ベンと一緒にいるようになってから

ベンとの過去世が視えたことがあった。