こんにちは!かなです
とうとう、観ましたよ
『成龍拳』
(劍・花・煙雨江南)
1977年・ロー・ウェイ監督作品
原作 古龍
根強いファンの皆様に愛されている
古龍三部作のひとつ
原作では、龍五
映画では小雷(シャオレイ)と
呼ばれている
おやっさんの還暦祝いに来ていた客人の
背中に刺さっていた針に注目
めちゃ可愛い😍
欲しい!みつばち党の針
この作品は、興行成績が
いまひとつだったそうなのですが、
私はこのストーリー結構好きです。
成龍兄の溌剌としたアクションもあり、
最後の対決も
まさにジャッキー!って感じも。
そして、主演の徐楓(シュー・フォン)
当時、女性でこれだけのアクションが
できる俳優は少なかったはず
かなが、この映画でいちばんビックリしたことといえば、
剧本(台本)は
国語(普通話)だったということ!!
なぜそれがわかったかというと、このシーン
↓
字幕だったのです。
配音(アフレコ)は普通話。
で、成龍兄と徐楓さんの
口の動きに注目すると、
普通話で話していることがわかる
どんな台詞かというと↓
小雷:「告诉你,
走遍天涯海角,我也要把她找到!」
(かな訳:
「言っておく。地の果てまでも、私は
必ず彼女を捜し出す!」
「她」は、小雷の恋人、チェンチェン
(纤纤)のこと。
丁残艳:「你只知道纤纤,
你为什么不会问我,我也是人,
你还我的名字都没问过,
我叫丁残艳!!」
(かな訳:
「貴方はチェンチェンしか頭にないのね、
なぜ私には聞かないの?
私だって人間よ!私の名前を一度だって
聞こうともしない!
私の名前は…
ディン・ツァンイェンよ!!」
ディンツァンイェーン!!!
せ、切ねえ〜
ディン(丁)姐さんの
恋心に気づかない、小雷。
私だって人間よ、は
私だって、女なのよ、と
訳した方がしっくりくるかもしれぬ。
私の名前を聞こうともしないで…
というくだりは、
丁姐さんに何の関心も示さない小雷の
チェンチェンへの愛の深さに
悲嘆にくれている
しかもディン姐さんの名前は
『残艶』ですよ。
まだ、女心を忘れていないのよ、
ということが名前にも現れている。
さすが、作者の古龍(グーロン)、
やるなあ
武侠の世界で戦い続けるしかなかった
女性の、女心を慮ると
泣けてくる
私はずっと、てっきり
香港で製作された映画は全て
広東語だとおもっていました。
実は70年代の香港映画の現場は
様々な言語が飛び交っていたのだ
という事実。
おまけに、ロケ地は韓国がメインだし
香港・台湾の役者さんが
入り混じって演じていたのだ
アジアグローバルだなあ!
成龍大哥、台本読むのに
苦労しなかったのかな
とはいえ、幼少期から訓練を受けていた
京劇も基本的には普通語であった
(特殊な発音があるにせよ、
広東語ではなかった)
ことや、
成龍パパは山東省、ママは上海の人
両親共に大陸からやって来たバックグラウンドを考えると、
生粋の香港人ではない成龍兄にとっては、
実は普通話は割と身近な言語だったのではないかしら。
そしてここに、とっても興味深い文献が!!
西村正男さんという方が、
香港映画史における言語の研究をされていて、
1970年代前半、香港映画界では
広東語の映画が一本も作られなかった時期もあった、と記されています
ほとんどが、国語(普通話)で製作されたということです。
(上記の文献がもし、転用NGでしたら
どなたか教えてください)
古龍三部作を愛してやまない
ファンの皆様と
大いに語りたい、かなでした