2013年ももうすぐ終わりですね。

今年は、春から始めた新しいことに一生懸命取り組むうちに、
あっという間に時間が過ぎていきました。

術後3年目の検診をクリアし、乳がんに対する気持ちを考えてみました。
乳がんを克服したわけでも、忘れようとしているわけでもありません。
ただ、「今出来る治療はしている。あとは人智ではわからない」という気持ちです。

私にとって闘病とは、いま病気と「闘う」というものではないです。
時に眠れない夜があったり、病気のない人をうらやんだりしながらも、
笑顔と感謝、平常心を忘れないこと。歩みを止めないこと。周囲に愛情を注ごうとすること。
そういう自分になることが、私にとっての「闘い」な気がします。

こう言うときれいに聞こえますが、けっこうな葛藤があったりもします。
実をいうと「なぜこの歳で」とか「なぜ子供を産む前に」と、今でも思います。
再建胸も、最近はごくまれにですが、心身両方でズキンと痛むことがあります。

この前、眠れない夜に、今春旅立った病友のことを考えていました。
自分の容態が悪いにもかかわらず、泣いている病友の背にそっと置いた、
肝転移の黄疸で黄色くなった彼女の手のことを思い出していました。美しい手でした。

「私の背中にも手を置いてほしい」と思ったら、「バシッ」という音がして、
振り返ると、背中に置かれた手と「グオー」という家族ののん気ないびきと寝顔がありました。
寝返りをうったら、偶然手が私の背中にあたったらしいのですが、
その姿になんだかほっとして、眠ることができました。

私も、誰かの背中にそっと手を置くような優しさを送れる人になりたいです。
自己中でデリカシーと想像力に乏しく、夢中になるとすぐ周りが見えなくなる私とは真逆なのですが…。
まずは、自分の背中を支える様々な形のぬくもりを感じて、感謝することからかも知れません。

この一年間も、たくさんの人達に支えてもらって無事過ごすことができました。
2014年も、素晴らしい年になりますように。
ニコニコ