2024年7月6日(土)宝塚大劇場にて、雪組『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』が初日を迎えました。
宙組につづき、友会がマブダチになってくれたので、劇場へ行ってまいりました。
ネタバレしますので、まだ知りたくない方はこの先へ進まれませんよう。
なお、私は幼少期からベルばら原作が大好きでした。
誤解をおそれず申し上げると、宝塚版ベルばらは苦手です。
苦手ポイントは、台詞と台詞回しと演出。
それらが大仰だから。
さらにエピソード変えすぎ問題も加わり、ヨロヨロ。
ただ、キャストの美しさは文句なし。
涼風オスカルを見た時は「オスカル様って実在したんだ…!」と震えました。
そんなわけで、宝塚版ベルばらが苦手な原作LOVE宝塚ファンの感想です。
★彩風咲菜(93期・研18)
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
グランドツアー中のスウェーデン貴族
フェルゼンは、彩風咲奈のはまり役ですね。
髪型も衣装も、とても似合っていました。
最初から最後まで美しかった。
芝居はもちろん、フィナーレは踊りっぱなし。
汗だくでした、咲ちゃん。
「有終の美」という言葉を体現していました。
脚本・演出は(ワタシ的に)微妙なれど、演者のチカラで梃入れ。
美と演技力で全てをねじ伏せた、タカラジェンヌの底力が炸裂。
★フェルゼンの愛
フェルゼンは、スウェーデン国王の前で愛とは何たるかを演説します。
それに心動かされたグスタフ三世は、フェルゼンの出国を許可。
アントワネットを救いにフランスへ向かうも、いろいろ手遅れ。
ルイ16世は処刑済、アントワネットもフランス王妃として死に臨みます。
…ヴァレンヌ事件は?
ヴァレンヌ事件を描けば、「これが愛だ」と伝わるのに。
原作でもここがしっかり描かれているから、フェルゼンの聡明さと包容力が響いてくるのに。
ルイ16世一家をオーストリアへ亡命させる計画を立て、実行したフェルゼン。
残念ながら、途中で露顕。
フランスを捨てようとした為、王室は権威を失墜しました。
失敗するも、フェルゼンの愛の深さ・大きさがわかる計画でした。
何といっても、愛する女性のみならず、その家族を丸ごと助けようとする姿勢。
ルイ16世は、フェルゼンに信頼と友情を寄せますが、その基盤がここにあります。
演説より、行動。
それが愛。
…と思っています、が。
彩風フェルゼンの場合、そこにいてくれるだけで愛だと思えて来る。
なんだろう、この説得力。
彩風フェルゼンでヴァレンヌ事件を描いてくれたら、どうなってたろうか?
宝塚版も好きになってたかもしれない。
★客席おり
客席降りは一幕と二幕、それぞれ1回ずつあります。
一幕ラスト、フェルゼンが舞台から降り、客席通路を歩き去っていく。
二幕はなんとパレードで。
次々と大階段から降りて来て、舞台を埋め尽くしていた組子。
それが、咲ちゃんが現れたら、皆さん舞台袖へ。
咲ちゃんが舞台に一人残り、独唱。
なんと組子たちが劇場扉から入場し、客席通路を降りて来ます。
パレードでまさかの展開。
これ考えたの、谷正純先生ですか?
それとも、演出助手さん達とブレーン・ストーミングされたのかな?
何にしろ、ナイス・アイディアです。
★市民よ、怒れ!ダンス
ナイス・アイディアといえば、素敵な場がありました。
2幕始まってまもなく、不満を爆発させた市民の群舞があります。
これがとってもカッコイイ。
ところどころ、新鮮な風が吹き抜けています。
前からあったなら、ボケててすみません。
でもホント、1789と繋がったような斬新さを感じました。
★階段降り
夢白あや(103期・研8)エトワール
↓
諏訪さき(99期・研12)
音彩 唯(105期・研6)
↓
華世 京(106期・研5)
野々花ひまり(99期・研12)
↓
縣 千(101期・研10)
↓
朝美 絢(95期・研16)
↓
彩風咲奈(93期・研18)
野々花ひまりと華世京は、ロザリーとベルナール(夫婦)だから。
ひまりちゃんは退団者だし、音彩唯には抜かさせない。
…という理屈の元、サラッと華世に諏訪を抜かさせる劇団。
トップ娘役は、充分スポットライトを浴びてる立場。
エトワールは退団する歌うまさんを抜擢してほしかった。
希良々さん、有栖さんのWエトワールでも良かったかと。
そして、縣千。
堂々の三番手です。
プログラムでは更に明確にわかります。
ソロ写真、二番手(朝美絢)さんと同じサイズ。
★スポンサー
「三井住友VISAカードシアター」と銘打たれています。
色々あった宝塚ですが、スポンサーを降りずにいて下さるVJA様。
ありがとうございます。
新調されたセットや衣装などもありました。
衣装は加藤真美先生。
基本は時代考証を踏まえたデザインですが、ファンタジックなものも。
どれも素敵です。
スポンサーのおかげです。
改めて感謝…!
それでは、まだまだ続きます
▽ ばらベルサイユ