少し日が空きましたが、2019年2月10日(日)は雪組ファントム東京千秋楽でした。

奇しくも210、風斗の日。

休演者(奏乃はると)も復帰して、全員で迎えた千秋楽。

望海さん、真彩ちゃんはじめ雪組の皆さん、公演の大成功おめでとうございます。

望海&真彩がタッグを組んだ今回の『ファントム』を超えるファントムは、今後そうそう現れない事でしょう。

本来の設定通り、「天使の歌声」「素晴らしい歌手になれたはず」の主演コンビが揃う事がまず貴重。

さらに、エリックを受けとめられるキャリエールの存在。

2番手役が、主演の父親役を演じる事だけでもハードルが高いのに、一番の見せ場を主演と共に担います。

演技力・歌唱力・包容力を試される難役。

それを見事にこなした彩風咲奈。

若い人がキャリエールの心情を理解する事は、とても難しいと思います。

奇しくも新人公演でも、上級生(綾凰華 98期・研7)が演じるエリックを、下級生のキャリエールが支える図式となりました。

キャリエールを演じた縣千は101期・研4。
スカステで放映された新公トークで、

「キャリエールが全ての(不幸の)元凶。(彼の行った事を)受け容れられない」

と発言していたそうですね、縣くん。
なるほどなぁ、そうだよね、うん、私もそう思いました。
 
ファントムは単なる悲劇ではありません。
不倫や殺人(事故や復讐ではありますが)など、倫理的には可哀想で済ませられない事案が盛り込まれています。

そういう面も含めて、圧倒的な音楽と演技で観客をさらっていく雪組のファントム。

圧巻のチカラ技で魅了した雪組のファントム。

演者はもちろん、指揮やオーケストラ、映像・照明・音響・大道具・小道具・衣装・床山など各種スタッフの力の結集。

凄いものを観せてもらったな…と改めて思いました。

縣くんの「キャリエールを理解できない」発言、むしろ安心しました。

倫理的に問題アリアリですもの、キャリエールは。
若い女の子なら、理解できない方が健やかに育ったのだなぁ…と感じられて、ホッとします。

…ですが、彩風咲奈(新公では縣千)のキャリエールを見ていると、何故だか許せるんですよね。 

切なそうな、苦しそうな、愛おしそうな、何とも言えない表情を浮かべてエリックを見つめる彩風キャリエール。

善悪や正誤だけでは判断しかねる事もある。

キャリエールに共感できずとも、その気持ちを何となく汲み取れる瞬間がくるかもしれません。

縣くんが演じたキャリエールもまた、包容力と愛情に満ちていました。

理解できないながらも、キャリエールという人間の業や哀しみを感じ取ったのでしょうね。

わからない事もあって良いと思います。
わかりたいと思う気持ち、寄り添う気持ちが大切なのだと思います。

縣くんの話題ついでに、もう一つ。
『ファントム』千秋楽を劇場で観ていた人から聞いた話です。

パレードが終わり、緞帳が下りる時、端にいる組子たちは幕の内側へ入るよう、下がりますよね。

千秋楽の熱気にあてられたのでしょうか?
うっかり下がるタイミングが遅れた生徒さんがいたそうです。

下がりそびれて動揺する、娘役2名(94期・杏野このみ、96期・朝月希和)

そんな彼女達の上腕に手を添え、幕の中へエスコートした男役がいたそうな。

それは「年下の男役」101期・縣千。

その時の縣くん、とっても頼りがいのある紳士そのものだったそうです…!

その様子を捉え、教えてくれた人は他に贔屓がいるにも関わらず、縣くんにときめいたそうな。

そりゃあ、ときめくでしょうよ。
話を聞いただけで、「うっわ、やりおる!!」…と思いましたわよ。

ちさと……立派になって…(ほろり)

うろたえる可愛い娘役さん二人を前にして、ちさとの中の縣千は紳士と化していたのかもしれませんね。

そして、奏乃はると組長、千風カレン副組長、就任おめでとうございます。

みとさん(梨花ますみ)、お疲れ様でした。
壬生義士伝でも、早速よろしくお願いします。


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