『義経妖狐夢幻桜』2018年4月1日(日)観劇感想つづき。


★永久輝せあ(ヨリトモ)

ヨシツネ(朝美絢)の異母兄・ヨリトモ。
髭が似合う、渋い男前。

劇中ではすれ違いLoveな兄弟ですが、ダンスシーンでは兄弟の絡み多し。

ヨリトモがヨシツネと並ぶと、まるでエドガーとアランのような麗しさ。

比喩が花組ってますね、失敬。
それくらいバランスが良くてお似合いなんです、本当に。

カゲトキ(橘幸)、ヒロモト(諏訪さき)、ヨシモリ(陽向春輝)といった側近を率いるヨリトモ。

そして、妻・マサコ(野々花ひまり)
マサコとは政略結婚ですが、それを「未来志向の利益追求型カップル」と表現。

「ものは言いよう」を体現している、恐妻家…じゃなくて、妻の意見・嗜好を尊重する旦那様。

マサコさんには、ビシバシ張り倒されるヨリトモ様は、ヨシツネとは違う意味で涙を誘います。
(笑うと涙が出るよね…)

ヨリトモ様は一見、強面ですが、中身は意外とお茶目さん。
「YO,YO,YO,YORITOMO FAMIRY!」と威勢よく歌い上げるファミリー…ってマフィアですか?

「鎌倉殿」ではなく、「ボス」と呼ばせたりする新しいモノ好きの一面も。

手下たちは一騎当千のヨシツネを怖れ、ヨリトモを置いてけぼりにしたり。

決してヨシツネと戦おうとはしないけれど(勝ち目のない戦いしたくないから)、ヨリトモの側から離れない側近たちに

「なんでお前らは残ってくれたんだ?!(喜)」

…とかね、憎めないラブリーなヨリトモ様。

そんなヨリトモ様を、永久輝さんがあくまでもかっこよく演じています。

お笑い要素が濃厚だけど、同時にカッコイイんですよ。
ある意味、なっかなかのチャレンジです。

ヨリトモって、かなり美味しいキャラです。
下手すると、ヨシツネより目立ちかねません。 

そこを、ちゃんと主役を立てた上で、濃いキャラを演じる匙加減はとても難しいと思います。

そういう点も、ひとこちゃん、お見事!


★ベンケイ(真那春人)

真那ベンケイは、朝美ヨシツネの腹心。 
ヨシツネとつかず離れずの関係。

面倒見の良い兄貴のようでもあり、心配性の母親のようでもあり。

また、「かつて僧侶だった」という設定(史実)が意外な形で生かされています。

朝美ヨシツネや、永久輝ヨリトモが、どんどん前へ出てガンガン点を取りに行くフォワードや、シューターだとしたら、真那ベンケイはバレーボールならセッター、バスケならポイントガード。
ゲームメイカーと申しましょうか?

真那さんの安定感たるや、技量的な面はもちろん、人をホッとさせる側面を感じました。


★エイサイ(久城あす)

この人も、元・僧侶という設定。
史実では、禅宗の僧侶として人生を全うしていますが。

真那さん同様、がっちり舞台を支える、実力派中堅。
とても頼もしい存在のあす君。

エキセントリックな役どころを、すうっと演じています。
濃いキャラなのに、自分のモノにしてるんですよね。

どんな役もこなせるし、歌唱力も高い、プロ意識が高い職人ジェンヌ。
今後もどんどん、重要な役どころに起用して頂きたいお一人です。


★舞咲りん(トキワ)

村のお姉さん。
「ばあさん」と呼ばれると、ピャッと戻ってきて睨みつけるトキワ。
こんなに耳が良いのに、ばあさんだなんて失礼な。

朝美ヨシツネが「母と同じ名だ…!」と反応します。
ヨシツネ様の母上が、こんなお笑いキャラだったら、ギャップ萌えっすよ。

幕開きから間もないバウホールで笑いを取りまくり、会場をあっためてくれました。

コメディエンヌ舞咲、今回も良い味を出しまくってくれました。


…もう少し続きます。


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