昨日は、『王家に捧ぐ歌』宝塚大劇場公演千秋楽。

朝夏まなと様はじめ宙組の皆様、おめでとうございます。
本当に、本当に素晴らしい舞台でした。

朝夏まなと様と実咲凛音ちゃん、真風涼帆さんに伶美うららちゃん、寿つかさ組長、見事なエトワール純矢ちとせさん等々、宙組の王家を観劇できて幸せでした。

真風涼帆さんは、少しお休みを取らせて差し上げては…。
星組の『黒豹の如く』が終わってすぐ、宙組で王家のお稽古に突入でしたから。
朝夏さんと並び、真風さんの過労が心配です。

演出の木村信司氏が制作発表会見で『朝夏に捧ぐ歌』と表現されてて、「お披露目公演だから、大袈裟に言うたはるんかな?」と思ってました。

…宝塚公演を終えた今、木村先生は単なる正直者というか、ストレートな感激屋さんなのね、と感じています。
これは確かに『朝夏に捧げたくなる歌』ですよ。

木村先生を見習って、私も率直に申しましょう。
「朝夏さんを起用するのに、歌メインでダンスが少ない二幕物の芝居? エジプト舞台の悲劇アイーダ?…うわぁ…もったいない…」
…と思っていました、発表された当初は。

『TOP HAT』がまぁ様にピッタリの演目だと思っただけに。
ダンスの神様フレッド・アステアの映画を舞台で再現。
朝夏まなと&実咲凛音コンビにしか成し得ない、素晴らしい舞台作品になるだろうと期待が膨らみました。
実際、期待に充分すぎるほど応えてくれました。

それに引き比べ、『アイーダ』かよ~…と。
まぁ様、踊らないし、みりおん黒塗りだし。
エジプトだし、悲劇だし、二幕物だし。
ダレそう……私が。
そう思っていました。

今、「TOP HATと王家、どちらかだけ、もう一度観れるよ?」と言われたら……非常に迷います。
迷いますが、敢えて選ぶなら、王家かなぁ。

踊らないまぁ様に、こんなに満足できるなんて思いませんでした。

そう、朝夏さんは最大の武器を封印して臨んだも同然でした。
ダンスの分量でいえば、同じく大作の『エリザベート』トート明日海の方が踊ってましたよね。

エジプトの凱旋ダンスの男役群舞。
作中ダンスとしては、一番の見せ場だったと思います。
そこでも、ラダメスはダンス後半で輿に乗って登場し、マントをはためかせて銀橋を堂々と闊歩するのみ。
ラダメスが兵士達の中央に立つや、凱旋ダンス終了。
ホンット踊らない。
それでも、ラダメスの存在そのものが大きなアクセントになっていました。

最大の武器を封印してなお、観客を惹きつける魅力と実力を備えていた朝夏まなと。
私は、朝夏まなとを見くびっていました。
伸びやかな歌唱は、安心して聴けるどころか、聴き惚れます。
一瞬にして観るものを別世界へ引き込む演技。

まぁ様は独特の笑顔を見せられるのですが、その表情がいつも…やや定型的だと感じていました。
それがなかった、王家は。

いえ、あるんです。
いつもの定番の笑顔もあるけれど、バリエーションが遥かに増えていました。
細やかになったのかな……表現が。

朝夏さんは笑顔に特徴があるから、特にそこに着目しましたが、全体的に今まで見る事がなかった表情を、たくさん散りばめていた気がします。
これは、『TOP HAT』の時でさえ感じなかった進化です。

繊細な感情表現に於いて、今の宝塚では、明日海りおと咲妃みゆに並ぶ演技者はいないと思っていました。

宙組トップコンビの朝夏まなとと実咲凛音はそれぞれ、前者2名に比べると、まだ荒削りの感が否めません。
…が、充分に素養と可能性を感じました。

しかも、この二人は組んでるんですよ。
現在、こんなに相互の実力と潜在能力が伯仲したトップコンビはいないのでは?

朝夏に捧ぐ歌

さらに、朝夏まなとと実咲凛音の信頼関係たるや。
お互いへの好意や愛情が満ち満ちて、芝居やフィナーレのふとした仕草にも滲み出ています。

私達は宝塚に夢を見ます。
それは舞台はもちろん、その延長線上にあるお稽古場にも想いを馳せたりします。
宝塚ファンって、舞台裏にも夢を投影する傾向がありますよね。

朝夏まなとと実咲凛音の二人は、その出会いからトップコンビを組むに至る、今迄の軌跡そのものが夢のような現実。
彼と彼女のストーリーに、宝塚ファンはときめくのです。

『朝夏に捧ぐ歌』は、どれほど語っても、語り足りません。

新たなる出発に際し、見事な大輪の花を咲かせた宙組トップコンビに幸いあれ。
エーアン、まぁみりおん!(作品違います)←エリザベートでしたね(主演トート役は朝夏の嫁2号でした)←希望的観測な妄想です…♡ 9月の舞踊会が楽しみ♡

まだまだこんなものじゃないんだろうなぁ、まぁ様とみりおんは。



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