こんにちわ
グレイス@関西 竹川です。

震災から2ヵ月経過しているにもかかわらず、未だに多くの被災者の方々が不自由な生活をなさっており、また先週末には原発現場ではついに亡くなった方が出るという、本当に心が痛む日々が続きます。

東北地方は先人の知恵を基礎に防災訓練等を積極的に行ってきた地域でありながら、今回は一連の出来事、つまり地震+津波に加え、原発事故までもが重なるという、これはまさに“不測の事態(ディザスター)”としか言いようがありません。

さて、私が社会人になった1983年春、その頃産業界では天変地異を含めた“不測事態への対応策(ディザスタープラン)”なるものを策定することが一時期流行りました。
70年代から経済は安定的に成長しつつも、二度の石油ショックのインパクトから80年代に入ると、企業経営者の関心事
(ビジネスイシュ)は財務(体質)に向かいます。
そんな時代背景の中での“ディザスタープラン”ですから、まさに財務内容を競うような方向で調査は進んだんです。

この調査の中で、代表的な指標の一つとしてあげられたのは
“経済活動一切が停止(事業収入=0)せざるを得ないような不測の事態が発生した場合、一体我社はどれ位の期間存続できるのか?”
“現金及び即現金化可能な資産によって従業員にどれ位の期間給与を払い続けることが出来るのか?”
といったもので、上場している会社は挙(こぞ)って当該期間を算定し、発表したものです。

経団連あたりが取り纏めたのではないかと思いますが手元にはもう具体的な資料は残っていませんのであくまで私の記憶ですが、80年代前半当時のNo1企業はどこだったと思います?
(答えは次回ブログでのお楽しみ!)

その過程で「財務体質のよい会社=良い会社」といった価値観がトレンドになっていき、多くの企業は“財テク”に走ります。金融機関も大いにそれを煽り、バブル経済に突き進むこととなる訳です。
そして90年代に入りバブル崩壊、そこから2008年9月リーマンショックまでが世に言う“失われた20年”となる訳です。

10年後、20年後に歴史を振り返ったとき、今年2011年はいろいろな意味で大きな節目になるでしょう。

震災復興元年であり、エネルギー政策の大転換点の年であり、環境問題への取り組みがさらに加速する、などなど。

次回は私達グレイスの“環境”人材サービス事業において、特に「エネルギー」問題に関わるクライアントの動きをお届けできればと考えています。
それではまた(竹川)

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グレイス@関西・竹川です。


3/11の「東北太平洋沖地震」において被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げますと伴に、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
被災地におかれましては、一日も早く普段の生活に戻れますよう、皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。

本当にとんでもないことが起こってしまいましたが、今自分に何が出来るかをしっかりと考えて日々行動していきたいと思います。


さて今回は、先週営業で訪問した“環境CSRコンサルティング”会社での話を書こうと思います。


「3月年度末ということもあってか、最近土壌汚染調査にまつわる人材サービスのご要請を頂くことが増えてるんですが、世の中少し景気が上向いてるんでしょうか?不動産が動き出しているとか?」(グレイス:以降G)


「弊社全体の見通しは決して良くはないですね。寧ろ非常に悲観的な見通しに立っているといった方が良い状況です。」(クライアント:以降C)


「この4月以降も引き続き厳しい見通しなのですね」(G)


「勿論お客様の業種業態や弊社のサービス内容により温度差は大きく、”お先真っ暗(黒)”というより 鮮明なまだら模様って感じでしょうか。リストラはありませんが、赤字部門から比較的忙しい部署へ社内異動は結構起こっています。その分キャリア採用は後回しにならざるを得ないですし、選考基準は一層ピンポイントになってきています。余程即戦力が期待できる方でないと面接にまで至らないのが現状です」(クライアント:以降C)


「そうなんですね。優秀人材のご紹介に全力で取り組みたいと思います。ご担当の環境CSR分野”の事業見通しはどうなんでしょうか?」(G)


“紛争鉱物“の話をお聞きになったことはありますか?」(C)


フンソウコウブツ?お恥ずかしながら初耳です。どのようなものですか?」(G)


生態系の破壊や児童労働による採掘の恐れがある鉱物、特にレアメタルを指す概念なのですが、特にコンゴ民主共和国(旧称ザイール)やその周辺国の話題を指すことが多いようです」(C)


「そんな概念があるのですね。勉強不足でした。」(G)


「ザイールでは幾つかの反政府の武装集団が殺戮を繰り返しているようで、それらの資金源が天然資源、特に4つの金属(スズ、タンタル、タングステン、金)なんです」(C)いきいきと働こう!株式会社グレイス 関西支社ブログ-出展:AFP ERIC FEFEBERG

「そう言えば、先日某電機メーカーのCSR部門の方が“金属調達が一層難しくなる”なんて話しをちらっとされてました。背景にこの紛争鉱物があったのかも知れません」(G)

                       Photo出展:AFP/FEFEBERG

「去年の7月に見かねた米国は「金融規制改革法」なるものを成立させ、その最後に紛争鉱物」条項なるものを入れ込みました。これが今、日本の自動車や電機メーカーにも激震をもたらしているんです。」(C)


「その条項はどんな義務を課しているんです?」(G)

「米国の上場会社はさっき言った金属(紛争鉱物)の使用に関する情報SEC(米証券取引委員会)に報告しないといけません」(C)


「でも、原材料として直接調達しているならまだしも、なんて半導体をはじめあらゆる電子部品に使われてますよね。その出所なんてトレースできるんでしょうか?」(G)

「なかなかに難しい課題です、がしかし自社の製品が「紛争と無縁」であることを宣言できないメーカーは、鉱物の出所を突き止めるために取った手段について、第三者機関の監査を受けた報告書を提出しなければならないんです。SECに上場している日本メーカーは勿論ですが、そうでない企業も無縁ではいられなくなるでしょう」(C)


「なるほど、それらを環境CSR報告書に記載することになるんですね」(G)

「まあ、まだ詳細は決まって無くてね、ここ一ヶ月位で色々と見えてくるんではないでしょうか。」(C)


ザイール紛争鉱物のこと、また規制強化や緩和がビジネスの新たな需要を創出することを改めてお聞ききすることが出来て、大変勉強になった面談でした。


私自身もっともっと情報受信の感度を高めてつつ、アンテナを一層高く上げる努力が必要だなあと痛感した次第です。

ではまた(竹川)


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【正社員】自社製品の土壌汚染分析/滋賀県大津市

【正社員】省エネ推進業務/兵庫県明石市

【長期派遣】地歴調査業務のマネジメント/大阪市

【派遣】環境調査に係るサンプリング業務/大阪府堺市

新年あけましておめでとうございます。

竹川@グレイス関西です。
新春第一弾は、前回に続きクライアントからの求人情報をお届けします。
先日、某鉄工メーカー(一部上場)を訪問してきました。
この歴史ある会社は数年前より、新規事業(用途拡大)として「風車ビジネス(風力発電)」に参入されています。
皆さんもTVなんかで、海岸線や山間部で大きな風車が風を受けて回っている情景をご覧になったことがあると思います。
いきいきと働こう!株式会社グレイス 関西支社ブログ-風力発電 日本における”再生可能エネルギー”の代表は、これまで”太陽光発電”でしたので、然程耳目を集めることはなかったのですが、欧米では私達の想像以上にこの”風力発電”は進展しているそうです。
最近の技術革新をもって、そのエネルギー変換効率は太陽光発電をも凌ぐそうです。勿論「発電量の予測不可能性」や「低周波被害問題」など、まだまだ課題も多いようですが、お話を伺った執行役員は当該事業の地球環境への貢献と事業としての可能性の両面を熱く語っておられました。
この会社では、更なる事業拡大を指向して非公開ながらキャリア採用を考えています。
第一の要件は、電験3種(電気主任技術者)資格をお持ちの方です。
関西圏、関東圏に複数の事業所があるのですが、監理技術者登録を前提としているポジションが故なのだそうです。
更に実担当業務として、上述「風車ビジネス」の推進に加わって頂くことになります。技術バックグランドとしての要望は「電気設計」領域だそうで、風力発電関連事業経験者は勿論大歓迎ですが、周辺分野でもOKです。
風車(風力発電)ビジネス市場を自らの手で創造していこうというこの企業の志を共有頂ける方(勤務地は大阪又は東京)、是非グレイス(竹川)までコンタクト下さい。お待ちしています。
ではまた(竹川)

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こんにちわ 
竹川@グレイス関西です。少し間が空いてしまい久々のUPです。

先日旧来からのお客様である”某監査法人”へ出向き、採用の打合せをしてきました。

「環境」や「CSR」領域、特に中国や東南アジア地域をターゲットにした

コンサルティング事業における”次世代(20歳代)若手経営コンサルタント”採用についてです。

「ええっ、何で監査法人が?」って思われる方もいると思いますが、監査法人での仕事内容って、以外にご存じない方が多いんですよね。

法定or任意監査業務以外に、彼らはコンサルティング事業をも展開しています。


今回の募集分野は、内部統制(J-SOX)から、コーポレートガバナンス/CSRといった流れに「地球温暖化」「生物多様性」や「環境保全(産業廃棄物政策)」「CDM」といったテーマが重ね合わさった領域のコンサルテーション事業です。非常に興味深いテーマだと思いませんか?
想定される業務内容としては
・CSR/環境報告書に対する第三者審査
・CSR/環境マネジメントシステム構築支援
・CSR/環境報告書作成支援
・CSR/環境会計導入支援
・政府機関に対するCSR/環境関連調査業務等
・CDM(クリーン開発メカニズム)に関する業務
等々です。

冒頭書いたように、今回は次世代を担う若手採用なので、即戦力といえる実務経験は問われません。
必要なのは、企業のCSR経営/環境経営に関するコンサルテーションビジネスへの高い関心と志、そこに向かえる素養(学生時代の研究、語学力、等)です。
語学力に関して、中国語は非常にアドバンテージになりますが、英語でも可能性はあります。

監査法人におけるこのようなグローバルビジネスに関わりたい貴方!
是非グレイス(竹川)にコンタクト下さい。もっと詳しいお話をしましょう。

ではまた(竹川)

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こんにちわ
グレイス@関西 竹川です。

スポーツの秋、昨日の日曜日は

”フィグアスケートの男女アベック金メダル”
”バーレーボール女子の32年ぶり銅メダル”
”ゴルフ・石川遼クンのぶっちぎりの優勝”

など々、スポーツ系話題に事欠かない一日でしたね。

ゴルフはここ数年、この石川遼クンや宮里藍サン、等の登場により、大いにゴルフ人口の裾野を広げ、日本経済の活性化にも少なからず貢献していますよね。

たまたま、昨晩昔の資料を整理していたら、切抜きの中に”ゴルフ”に関する面白い資料を見つけたので書いてみます。

それは、米国の大学教授(行動学者)のW.モブリー氏が発表した理論なんですが、きっかけは

「なぜこれだけゴルフは人を魅了するのだろうか?」と考え、先ずは身の回りのゴルファーにこう尋ねてみたそうです。
「何故飽きもせずゴルフをするの?」

その問いへの回答を列記すると......

「健康のため」
「付き合い」
「家にいてもつまらないから」
「人と競い合うスリル」
「気分が爽快になる」
「メタボからの逃避」

果たしてそれだけだろうか?とモブリー氏はもっと突っ込んだ分析に乗り出し、特にゴルフというゲームに備わっている効果的な動機付けの要因をターゲットにしました。

そして、分析の結果、その特徴的な要因を以下の5項目に纏めました。

①目標の明確さ
目に見えるピン(具体的、並びに象徴的な目標)
容易には達成できないが達成不可能ではないパー(規定打数のこと)

②ゲームの完結性
ティーからグリーンまでの完全な自己責任性
最終ホールまで自分の腕しだい

③フィードバック
各ショットごと、各ホールごと、9番ホールと18番ホールの後のフィードバック。

④多様な技能を駆使できる
ホールによって異なるコンディション
クラブの種類
フィジカルな要素とメンタルな要素

⑤判断
距離の判断
グリーンをよむ
クラブを選ぶ
スタンスを決め、調整し、グリップを整え、スイングする。

確かに、長時間にわたるプレーを持続させるだけの動機付けが揃っていると言えますよね。

ゴルファーに言わせると、戦っている相手は一緒にラウンドしている”人間”ではなく

”The Course(コース)”

だそうです。

「もし、ゴルファーの眼にはっきりピンが見えず、パーを知らされず、年間の成績発表以外にはフィードバックを与えられず、一種類のクラブしか使えず、自分の判断を奪われたら、二度とやる気は起こらないないだろう」

とモブリー氏は指摘します。
更に氏は、これらの分析をビジネスの世界へ持ち込み、こう問います。

「あなたは、そしてあなたの部下は、この様な動機付けを与えられて仕事をしていますか?」

うぅ~ん.......一つの理論として現状を点検してみるのも面白いですね。

ではまた(竹川)

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こんにちわ

グレイス@関西の竹川です。

先週末「COP10」が何とか無事閉幕しましたね。微生物など遺伝資源の利用と利益配分を定めた「名古屋議定書」や2010年以降の生態系保全の国際目標「愛知ターゲット」がぎりぎり採択されました。あいまいな内容を含めて、これからの実効性が問われます。他人事ではなく、私たちがしっかりとウォッチしていきましょう。
今回私の中で「COP10」は、1992年の「第一回地球サミット」まで遡って、改めて生物多様性のテーマを再考するよい機会でした。
「総論賛成、各論反対」「地域エゴ」「人間の欲」.....さまざまな思惑が錯綜する中、前々回 ご紹介した「伝説のスピーチ」 を少しでも多くの方々に改めて聞いて頂き、腹に落として欲しいものです。

さて、私たちの周囲で日常起こる事柄への向き合い方(構え、スタンス)として「Reactive」「Proactive」という概念があります。日本語では「即応」「予応」とでも訳せるでしょうか。仕事においては、日日発生するあらゆる出来事への、まさに「Reactive」な対応と、少し先を見て手を打っていく「Proactive」な行動との織り成す連鎖が、まさに「仕事の総体」と言えるのではないでしょうか。
私自身、これまでこの2つの視点を大切に意思決定し、行動してきました。

「Reactive」な対応の分かり易いものの一つが「クレーム」です。「クレーム」に対する行動原理は「Quick Response & Quick Action(迅速な対応・迅速な行動)」です。その行動を突き動かす基盤にあるものは「Sense of Emergency(危機感受性)」ではないかと思うんです。「この能力の欠落している、あるいは錆びついている社員は幹部には登用しない」ということをある経営者から聞いたことがあります。

さらに一歩踏み込んで考えると、「潜在的なクレーム」とか「創造的な不安・不満」とでも表現できる事柄が、結構周囲にはあるもんです。それを自分のこととして取り込める感性・感受性が大切だということです。ここまでくると「Reactive」「Proactive」との境界は曖昧なものとなってきます。

「Proactive」に行動するといっても、私を中心に世界が回ってくれるわけではありませんから、望むような成果・結果を手にすることは容易ではありません。

通常私たちは「Planning(計画)」する際、さまざまな変化を見越して、Cue(手がかり)をその中に埋め込みます。例えば「○○という指標が○○になったら次善の策を打とう」とかいうことです。
つまり私の経験的には「Proactive」に行動するにも「Sensitive」であることが必須なんです。物理的アナロジーで言えば「常に幅広い周波数に対応する高感度のアンテナを持ち、錆びないように磨き続けること」「Proactive」な行動の肝と言えます。

言うは易しです。どうやったらこのような感性・感受性と実行力を養えるのか?正解はありません。

こういった視点で私たち日常の「自然環境や生物」へのかかわり方を振り返ったとき、あまりにも鈍感で且つ「Reactive」な対応に終始しているように思います。私自身も然(しか)り。「COP10」も然りです。
もっともっと皆で「Proactive」な行動を意図していかなければいけませんよね。勿論「Reactive」な対応も必要ですが..........。


神無月に入り、日に日に寒さがましてきました。
今年は春が短く、猛暑が永かったので、「日本の四季消滅論」がまことしやかに囁かれていますが、どうやら例年並みくらいには紅葉を楽しめそうですね。私はとても好きな季節です。
「秋深まれば冬支度」
「雨降れば傘をさす」
今回のテーマを表すこれ以上の言葉はないですね。
日本語はすばらしい。

ではまた(竹川)

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こんにちわ
グレイス@関西 竹川です。

前回 は愛知県名古屋市で開催中「COP10」に少し触れましたが、今回は”びわ湖”へ行ってきました。

昨日からスタートした「びわ湖環境ビジネスメッセ2010」(10/20~10/22)です。
”環境にまつわる商売の見本市をびわ湖でやりまっせ”ということです。

大阪からJR新快速で1.5時間、びわ湖の東側を北上していくと、今回のイベント会場である”長浜ドーム”が見えてきます。田んぼの中にあって銀色のドームがひと目でそれとわかる施設です。周囲の環境とやや違和感を覚えつつ、普段は無人駅かと思われる田村駅から徒歩5分で到着します。

お昼頃に到着したのですが、あいにくどんよりとしたお天気でした。
しかし初日(入場無料)ということもあってか、午後になると地元らしき中高生(課外授業?)を含めて、来場者は増えはじめ、平日であり且つ都心部からも結構離れている会場にも関わらず、なかなかに盛況な印象でした。

今年で13回目となるこのイベントは、”滋賀県の環境メッセ”から”全国の環境メッセ”へと認知されつつあるようで、幅広い業種業界、産官学合わせて313の出展者が集いました。
商談ブースも多数設置されており、この3日間で活発な商談が繰り広げられることを祈るばかりです。

特徴的な点だけ挙げると「省(新)エネルギー技術・製品」や「環境配慮型のモノづくり」ブースが最も多く(80)、次いで「バイオや化学分野のベンチャー」ブースが目立っており(40)、特に滋賀県は「バイオベンチャー」の起業支援や連携、インキュベーションに意欲をみせているようです。

事実、滋賀県には「滋賀大学」「滋賀県立大学」「立命館大学」「龍谷大学」「長浜バイオ大学」といった多様な大学が存在し、びわ湖周辺への大手製造業の研究所や製造拠点の企業誘致の成功も相俟って、年々人口が増え、近畿圏の自治体では現在最も勢いがあるのではないかと思います。

その勢いを生み出し、上手くプロデュースしている主役は「かだ由紀子」知事です。農学博士であり、びわ湖の研究員経験のある氏は、2006年「もったいない」政策を掲げて当選、今年7月「もったいないプラス」政策を掲げて、前回の倍近い得票数で再選されました。これからの4年間で尚一層の発展が見込まれます。

京阪神1,400万人の水瓶(ミズガメ)としてのびわ湖。
多様な生態系(1000種類を超える動・植物が生息)を有するびわ湖。
更にその内50種以上が固有種(日本国内で140種弱)である護り、愛すべき”びわ湖”。

この環境保全の象徴的存在でもある”びわ湖&滋賀県”の勢いに、私たちグレイスも是非乗っかっていきたいと思います。

ではまた(竹川)

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こんにちわ
竹川@グレイス関西です。

前回 冒頭で少し触れましたが、今週月曜日から名古屋で「COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)」が開催されています。

話は少し逸れますが、宇宙のスケールでは”液体としての水”が存在するという意味において、私達のこの地球は”奇跡の星”と言われます。
同じように地球のスケールでは、”日本列島”はまさに”奇跡の島”と位置づけられることを私はつい最近まで知りませんでした。ユーラシア大陸とくっついたり離れたりしてきた日本列島、偏西風がヒマラヤ山脈の南側、更にはインド洋上を通ることで湿った空気を運ぶことなど、その他いくつもの要因が重なることで育まれてきた”豊富な森林資源”。
親潮と黒潮という二大海流の混ざり合いや、これまた多くの偶発的要因から生まれる”類まれな海洋生物資源”の存在。
どちらの資源も今や危機的ではありますが、それらが重なり合うことで今もって日本は世界でも最多の”固有種”が存在する”奇跡の島”であることに違いはありません。
そんな私たちのこの日本での「COP10」開催には大いなる意味があることなんです。

ご案内のように、COP10のテーマは大きく二つです。

1.”生命を守る”

象徴的テーマが”絶滅種”の急激な増加の問題です。あるデータによると、絶滅種の数は18世紀までは4年に1種程度、19世紀には年に1種程度だったのに対して、1975年には年に1000種、現在では年に4万種とも言われています。「約13分に1種」「1日に約110種」の割合になるそうです。まさに加速度的な増加です。このまま続けば、早ければ2030~50年ごろには地球上の野生動植物はゼロになる可能性もあるんだそうです。

2.”生物資源を使う”

具体的には、新薬を巡る利益配分の問題であり、非常に重要且つ深刻なテーマです。
コンピュータの化学合成による新薬開発に限界が見えてきた現代、夢の新薬誕生への期待は、生物が持つ人智を超えた物“生物資源”に託されようとしているんです。しかしここ18年に渡り、「生物資源を有する途上国」と「生物資源から薬を開発する先進国」は激しい論争を続けてきています。

途上国は先進国に対し「生物資源を奪い、先住民の知恵を盗み取る海賊行為=バイオ・パイラシーだ!」と訴え続けているんです。しかし、両者が平行線を続ける今も、ガンやエイズに苦しむ人々は新薬を待ち望んでいるのも現実です。一体、生物資源は誰のものなのか?早く国際ルールを決めないと夢の新薬が作れないという研究開発現場の訴えも切実な声なんです。
さて、私は恥ずかしながら不勉強だったのですが、この「生物多様性条約」と”京都議定書”の背景にある「気候変動枠組条約」とは双子だったことを皆さんはご存知でしょうか?
ルーツは共に1992年第一回「地球サミット」(ブラジル/リオネジャネイロ)にあるという意味です。その後はやや「気候変動枠組条約」にスポットが当たり、より進展が認められるようですが、この「COP10」をきっかけに「生物多様性条約」目標の具現化にも大いにドライブがかかるだろうと願います。

最後に、ご存知の方も今一度、もし未だお聞きでない方は是非、下のスピーチを読んでみて下さい。

上述・18年前の「第一回地球サミット」での”12歳の少女のスピーチ”です。彼女はセヴァン・スズキさんといい、日系4世のカナダ人です。可能な方はネットでも公開されていますので、是非改めて映像でもご覧になってみて下さい。このスピーチほど”環境に対する関心を促し”、そして”サステイナビリティという考え方を鮮烈に物語るものは無い”と言われています。”伝説のスピーチ”と言われる所以です。私も本当にそう思います。

<セヴァン・スズキさん/スピーチ全文>

こんにちは、セヴァン・スズキです。エコを代表してお話しします。

エコというのは、子供環境運動(エンヴァイロンメンタル・チルドレンズ・オーガニゼーション)の略です。カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりで、今の世界を変えるためにがんばっています。あなたがた大人たちにも、ぜひ生き方をかえていただくようお願いするために、自分たちで費用をためて、カナダからブラジルまで1万キロの旅をして来ました。
今日の私の話には、ウラもオモテもありません。なぜって、私が環境運動をしているのは、私自身の未来のため。自分の未来を失うことは、選挙で負けたり、株で損したりするのとはわけがちがうんですから。
私がここに立って話をしているのは、未来に生きる子どもたちのためです。世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。

太陽のもとにでるのが、私はこわい。オゾン層に穴があいたから。呼吸をすることさえこわい。空気にどんな毒が入っているかもしれないから。父とよくバンクーバーで釣りをしたものです。数年前に、体中ガンでおかされた魚に出会うまで。そして今、動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを、私たちは耳にします。それらは、もう永遠にもどってはこないんです。
私の世代には、夢があります。いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見ることです。でも、私の子どもたちの世代は、もうそんな夢をもつこともできなくなるのではないか?あなたがたは、私ぐらいのとしの時に、そんなことを心配したことがありますか。

こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。あなたがたもよい解決法なんてもっていないっていうことを。
オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう。どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。
ここでは、あなたがたは政府とか企業とか団体とかの代表でしょう。あるいは、報道関係者か政治家かもしれない。でもほんとうは、あなたがたもだれかの母親であり、父親であり、姉妹であり、兄弟であり、おばであり、おじなんです。そしてあなたがたのだれもが、だれかの子どもなんです。

私はまだ子どもですが、ここにいる私たちみんなが同じ大きな家族の一員であることを知っています。そうです50億以上の人間からなる大家族。いいえ、実は3千万種類の生物からなる大家族です。
国境や各国の政府がどんなに私たちを分けへだてようとしても、このことは変えようがありません。私は子どもですが、みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に向けて心をひとつにして行動しなければならないことを知っています。

私は怒っています。でも、自分を見失ってはいません。私は恐い。でも、自分の気持ちを世界中に伝えることを、私は恐れません。
私の国でのむだ使いはたいへんなものです。買っては捨て、また買っては捨てています。それでも物を浪費しつづける北の国々は、南の国々と富を分かちあおうとはしません。物がありあまっているのに、私たちは自分の富を、そのほんの少しでも手ばなすのがこわいんです。

カナダの私たちは十分な食物と水と住まいを持つめぐまれた生活をしています。時計、自転車、コンピューター、テレビ、私たちの持っているものを数えあげたら何日もかかることでしょう。
2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。ひとりの子どもが私たちにこう言いました。
「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、食べ物と、着る物と、薬と、住む場所と、やさしさと愛情をあげるのに。」
家もなにもないひとりの子どもが、分かちあうことを考えているというのに、すべてを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、いったいどうしてなんでしょう。

これらのめぐまれない子どもたちが、私と同じぐらいの年だということが、私の頭をはなれません。どこに生れついたかによって、こんなにも人生がちがってしまう。私がリオの貧民窟に住む子どものひとりだったかもしれないんです。ソマリアの飢えた子どもだったかも、中東の戦争で犠牲になるか、インドでこじきをしてたかもしれないんです。

もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えばこの地球はすばらしい星になるでしょう。私はまだ子どもだけどこのことを知っています。
学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は私たちに、世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。たとえば、

・ 争いをしないこと
・ 話しあいで解決すること
・ 他人を尊重すること
・ ちらかしたら自分でかたずけること
・ ほかの生き物をむやみに傷つけないこと
・ 分かちあうこと
・ そして欲ばらないこと

ならばなぜ、あなたがたは、私たちにするなということをしているんですか。

なぜあなたがたがこうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。そしていったい誰のためにやっているのか。それはあなたがたの子ども、つまり私たちのためです。あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。

親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子供たちをなぐさめるものです。あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか、「この世の終わりじゃあるまいし」とか。
しかし大人たちはもうこんななぐさめの言葉さえ使うことができなくなっているようです。

おききしますが、私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか。

父はいつも私に不言実行、つまり、なにをいうかではなく、なにをするかでその人の値うちが決まる、といいます。しかしあなたがた大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。あなたがたはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、私はいわせてもらいたい。もしそのことばが本当なら、どうか、本当だということを行動でしめしてください。

最後まで私の話をきいてくださってありがとうございました。

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ではまた(竹川)

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こんにちわ
竹川@グレイス関西です。

昨日名古屋ではいよいよ”COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)”が始まりましたね。3週間のこの会合を経て、更に多くの人々が”あらゆる生き物の命を守り・育む”ことの意義とその大切さに心から賛同し、身近なことから先ずは一歩踏み出す契機となることを確信しています。”COP10”に関しては、次回改めてお伝えしたいと思います。

そこで前回 は、世界文化遺産・第二弾として「法隆寺参拝記」の一部をお届けしましたが、今回はこの”世界最古の木造建造物”法隆寺 を建て、1400年に及び守ってきた宮大工(集団)について書いてみたいと思います。

法隆寺専属最後の棟梁にして、飛鳥時代からの古代工法で大伽藍※を造営することができる”最後の宮大工棟梁”と言われたのが西岡常一(1908-1995)” という方です。
私が何十年かぶりに法隆寺に直に触れてみたいと思ったのは、以前は読み流したこの西岡棟梁の本を久しぶりに熟読したことが発端なんです。
※伽藍(がらん):仏教寺院にある建造物の総称

◆法隆寺大工 口伝

西岡家は3代に亘って法隆寺の棟梁を担ってきましたが、西岡棟梁は法隆寺に抱えられるのは自分が最後と判った時、祖父からの口伝(クデン)を初めて公開しています。
口伝と言うのは読んで字の如く、文字にはせず、棟梁を継承するものへ、まさに口移しで伝える秘伝のことです。一体いつの時代からの言い伝えなのか、想像もつきません。

以下は、法隆寺入口にある「斑鳩観光センター」の2階に展示してあった口伝をそのまま書き写したのもです。

法隆寺大工 口伝
一、神を崇めず佛を敬礼せずして伽藍社頭を口頭にすべからず
一、伽藍造営には四神相應の地を撰べ
一、堂塔建立の用材は木を買わず山を買へ
一、木は成育の方位のままに使へ
一、堂塔の木組は寸法で組まず木の癖を組め
一、木の癖組は工人達心但
一、工人の心組は匠長が工人への思やり
一、百工あらば百念あり一つに統ぶるは匠長の器量なり これを正と云ふ
一、百論一つは止める器量なきは謹み長の座を去
一、諸々の技法は一日にならず神代以来の祖神々徳悪なり

多くはその心構えを説いていますが、中でも私が興味を惹かれたものを少し補足します。

一、堂塔建立の用材は木を買わず山を買へ

このことの意味を知る前は、普通に棟梁が設計図を引き、その寸法通りの木材を製材所に発注して効率的に建造するもんだと漠然と想像していましたが、実は全く違うんです。
法隆寺や薬師寺にあるようなお堂や塔、回廊を建立する際、千年クラスの檜を使っており、棟梁が現地を観て、山ごと購入(勿論地面は買いませんが)し、この木はどこどこの位置の柱に、こちらは梁に、と想定するんだそうです。木にはその育った場所や陽の当たり具合、その他様々な要因で各々木の個性ががあって、それを癖と言うそうですが、その癖を生かすことが肝要なんだそうです。

下段に記述するような工夫も含めて、前回も書きましたが宮大工は「千年の命を永らえてきた檜は、木材にしても千年は持たさなければならない。元来”木”にはそういう力があり、それを生かすのが自分達大工の使命なんだ」という痛烈な信念・使命感をもっており、そのことは伐採の際に植樹することで千年後にまた木材として生かせるという循環発想があるんです。

一、木は成育の方位のままに使へ

山ごと買った木をどう生かすか? 簡潔に言うと、山の南に生えていた木は堂塔を建てる時にも南側に、北は北、西は西、東の木は東に使えということです。或いは、大きな木の場合は縦に4分割して使うこともあるんですが、その場合でも東西南北で各々を使うんだそうです。以下微細は解説は省きますが、こうした知恵が1400年の命をもたせているんです。

一、堂塔の木組は寸法で組まず木の癖を組め

法隆寺に行かれて実際にいろんな檜の柱や梁を観たら分かりますが、節だらけの結構いびつな木材が多いんです。キチット寸法出しした、製材所から届いたような木は本当にどこにもありません。
節の多い少ない、捻(ヒネ)りや曲がり、その組合せによる強度等、宮大工の知恵・工夫には驚くべきものがあります。木の癖を見抜き、その性質そのままに、適切に使うといいます。これがまさに「適材適所」という言葉のルーツだと思います。

一、木の癖組は工人達心但

木の癖を見抜いてうまく組立てなくてはなりませんが、木の癖をうまく組むためには、先ずは人の”心を組まないといい仕事は出来ない”と西岡棟梁は言います。それが棟梁の役目だという訳です。職人が50人いれば50人全員が棟梁と同じ気持ちにならないといい建物はできないということです。

◆棟梁&大工道具

この観光センターには、西岡棟梁の大工道具も展示されており、それをじっと観ていると何かぞくっとするものを感じます。
古代工法で堂塔を建立する”ということは、おのずと道具にも制約が出てくるということなんです。鎌倉時代以前は鉄の鋸(のこぎり)すらなかったそうですから、本当に知恵と工夫が勝負だったんだろうと思います。相当に太い丸太を割って使うには、斧(オノ)で切れ目を入れてから楔(クサビ)を打ち込んで縦に叩き割ることになるんです。そうすると自ずとその丸太の癖に沿って割れるんだそうです。釘(クギ)なんかも木製や竹製は一部使いましたが、基本使わずに組み上げて、緩んでくるとと楔を打ち込む式、つまりチューニングするんですね。鉄の釘は木が弱るので特に嫌ったそうです。
だから解体修理が出来るんです。従って、展示されている道具も一般的な大工道具とはだいぶ趣が異なります。

この西岡棟梁の道具は、その弟子(内弟子は一人だけだそうです)や他の宮大工の道具ともまた全く違うそうです。その弟子の小川氏はこう語ります。

何が違うのか? 「それは魂が入るか否かだ」と。
何故その違いが出るのか? 「それは、西岡棟梁の育った時代には手持ちの道具で造り上げるしかなかったから逃げ道はなかった。しかし私やその他の職人は本当につらくなると電気道具に逃げるからだ」と。

西岡棟梁は生前「宮大工は百姓大工がええ」とおっしゃっていたそうです。宮大工は常に仕事がある訳ではありませんから、暇な時は自給自足の百姓でええということです。
「儲けを考えたら宮大工はできん。だから喰えても喰えんでも民家は絶対やらん」ともおっしゃっていて、事実ご自分の家すら建てなかったようです。
法隆寺という金看板を背負い続ける棟梁というのはどういうものか、どんなプレッシャーか、ご本人以外知る由もありません。生半可な覚悟では勤まらなかっただろう事だけはまちがいないでしょう。

"平城遷都1300年祭”にお越しになる際にも、是非「法隆寺」へ足をお運び下さい。五重塔や金堂などを通して1400年の歴史を、またそれを造り支えてきた多くの宮大工の仕事ぶりやその一途な執念に触れることを通して何かしら感じて頂けると思います。

その節は是非感想をお聞かせ下さい。
ではまた(竹川)

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こんにちわ
竹川@グレイス関西です。

先日思うところあって、何十年かぶりに地元・奈良の「法隆寺」へ足を運んできました。

そこで今年6月末の吉野・十津川村「玉置神社・神代杉」訪問記に続く”世界遺産”シリーズ第二弾をお届けします(そんな大そうなもん?!)

第一弾は 樹齢3000歳の”杉”でしたが、今回は1400年の”檜”(ヒノキ:厳密にはヒノキの建築物ですが)を観に出かけることにしたんです。すごいスケールでしょ、奈良というのはこういうとこなんです。
実は30歳の頃から3年程この法隆寺まで歩いて20分位のとこに住んでいたんです。まあ庭みたいなもんです。


いきいきと働こう!株式会社グレイス 関西支社ブログ-中門よりの眺望
私が訪れた日はお天気も良く、入口にあたる「南大門」をくぐった眼前(100m程先ですが)には、中央に「中門」、右に「金堂」、左には「五重塔」があり、それら国宝の3棟が松の古木に溶け込んだ素晴らしい眺望です。缶コーヒーのコマーシャルよろしく、思わず「贅沢だ!!」という印象です。


「中門」前で一旦立ち止まり、”阿形像””吽形像”にご挨拶します。しばし見とれた後、左手入口で拝観料1000円を納め、さあここから西院へと入っていきます。

「西院伽藍」「大宝蔵院」「東院伽藍」(伽藍(ガラン)というのは仏教寺院にある建築物の総称です)とゆっくりと堂塔や展示されている数知れない国宝、重要文化財を観て回って約2時間の参拝行脚。”吉野・神代杉の感動”から3ヵ月、久しぶりに心がすぅ~っと静まった感がありました。

今年奈良は「平城遷都1300年祭」で例年以上に賑わっているんですが、それを上回る1400年の永い歴史を誇るのが”世界最古の木造建築 ここ法隆寺”なんです。この地域を「斑鳩(いかるが)の里」ということから、「斑鳩寺」とも言います。

この世界最古と言われる木造建築物群の永生きの秘訣は2つ。
 ①建築に適した木材である檜(ヒノキ)の存在
 ②営々と築かれてきた宮大工の技

杉なら精々1000年まで、松やケヤキだと600年位しかもたないそうです。

宮大工はこう考えます。
「木の命というのには二つの意味がある。一つは”植物としての命”。もう一つは”木材としての命”」
「千年の命を永らえてきた檜は、木材にしても千年は持たさなければならない。元来”木”にはそういう力があり、それを生かすのが自分達大工の使命なんだ」と。

職人への心からの尊敬とある種の憧れを持つ私にとってこの宮大工集団は非常に興味深い世界です。
宮大工は、その使命を果たすために驚くべき技術・技法や工夫を開発・改良しながら綿々と伝え、解体修理(因みに法隆寺は200年毎)を繰り返すことで、1400年に及ぶ歴史を刻んできた訳なんです。

その解体修理の時、屋根瓦を取り外すと今まで重荷がかかっていた垂木(たるぎ)が反り返ってきたり、鉋(カンナ)をかけると1000年以上経った今でも、品のいい檜の香りがするそうです。まさに木材として生き続けているという証です。凄いとしか言いようがありません。

昔はこの「法隆寺」のような比較的大きな寺院には、各々専属の宮大工が組織されており、その長を”棟梁(トウリョウ)”と言います。

わがグレイス社の提唱する”グリーン雇用”の考え方にも通じるところのあるこの宮大工集団の価値観や棟梁の心構えなどについて、次回竹川なりにご紹介してみたいと思います。

ではまた(竹川)

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