前回に引き続き、犬猫の尿石症についてお話したいと思います。
●尿石症とは？
尿石症は尿路結石症ともいわれ、尿に含まれるミネラル成分が結晶化して腎臓、尿管、膀胱、尿道などの泌尿器で結石となり、組織の粘膜を傷つけたり、閉塞を起こす疾患のことです。
寒い時期は特に注意が必要で、閉塞を起こして長時間、尿が出ないと急性腎不全になり命に関わることがあります。
●ご自宅チェック！これらの変化はありませんか？
□ トイレの回数が多くなった
□ 尿の色が濃い
□ 尿の量がいつもと違う
□ 尿の臭いがキツイ
□ トイレの中でそわそわしている
□ トイレにいる時間が長くなった
□ 陰茎や陰部をしきりに舐める
●水、食事、定期検査で予防！
水を飲まないと尿が濃縮されて結石ができやすくなります。
常に新鮮な水を用意しておきましょう。
また猫の場合は家の複数個所に水を置くなどして猫に水を飲ませる工夫をしましょう。
●結石が尿道につまる場合も…
愛犬愛猫が排尿の姿勢をしつつも、実際にオシッコが出ない場合は結石が尿道に詰まっている尿道閉塞の可能性があります。
この症状は男の子に多く、そのままほうっておくと尿毒症になり命に係わる状態にもなりかねません。気になる症状があったら至急、当院にお連れください。
●膀胱結石は腹腔鏡手術が可能
尿石症は結石が発生する場所によって名称が変わります。
膀胱は膀胱結石。尿管は尿管結石。腎臓の場合は腎結石といいます。
膀胱結石であれば腹腔鏡で手術が可能です。
腹腔鏡は、お腹に小さな穴をあけカメラを挿入し、カメラが捉えた映像をモニターで見ながら検査や手術が行える医療機器です。
グラース動物病院・本院では2019年に最新の腹腔鏡を導入して以来、たくさんの膀胱結石の除去手術を腹腔鏡で行ってきました。
開腹手術の場合は4～5日の入院が必要ですが、腹腔鏡手術は翌日の退院が可能です。
この写真は当院で膀胱結石の腹腔鏡手術を行った際に撮影した画像です。
赤い枠が結石で約4mmほどの大きさのものが多数あります。
画像の右横や右下の粉状のものは砂粒状の結石で肉眼での認識は困難なものです。
病気は早期発見がとても大切です。
そのためには定期的な検査が重要になります。
早期発見ができれば痛みも軽くすみ、また治療もスムーズに行えます。
グラース動物病院では、現在「猫の健康診断の特別キャンペーン」をご提供中です。
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グラース動物病院 広報 土井
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