前回に続いて今回は猫の臭覚についてお話しますね。
●猫の臭覚は人の約３倍
人間の嗅覚の細胞は約2,000万個、猫はその約3倍の6,000～6,500万個あると言われています。
まだ目や耳が開いていない生まれたばかりの子猫が母猫のお乳にたどり着けるのは、この優れた嗅覚のおかげなのです。
●匂いでフェロモンを感知
猫の上顎の前歯には特殊な嗅覚器官がありフェロモンを感知できるようになっています。
フェロモンは猫の体から分泌されるもので、縄張りの主張や親子・飼い主など心許せるものへのニオイづけに使われます。
また、発情しているメス猫の性フェロモンをオス猫がその鼻の嗅覚器官で感知すると、口を半分開けるような表情（上の写真参考）をすることがあります。その表情を「フレーメン」といいます。
●猫の鼻に起こりやすいトラブル
猫の鼻は基本的に湿っています。
しかし鼻水を垂らしている場合は要注意。
風邪や副鼻腔炎などの病気を発症していることがあります。
また、鼻血が出るようなら早めにご相談ください。
強い感染や腫瘍など様々な病気も考えられます。
こうした鼻のトラブルは食欲不振につながります。
猫は食に対しては味覚よりも嗅覚による情報を大切にしています。
鼻がうまく機能しないと食欲も低下するのです。
●鼻症状の初期治療
治療は点鼻、飲み薬、ネブライザー（噴霧吸入器）など。
ネブライザーは人のように口にマスクをあてるのを嫌がる猫が多いので、アクリル板で作った専用ケージの中に入ってもらって、その中で噴霧して薬を吸ってもらいます。
その他、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
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