16渡辺哲平を語る
メンバーを語るのコーナーも中盤戦を過ぎ、残すところ、あと4名。今回はAll Clearのサックス奏者その2、てっちゃんこと渡辺哲平を紹介しよう。 All Clearのメンバーは、演奏の間(ま)を大事にする割には、どちらかというと会話の間を大事にしない人が多い(笑)。沈黙が耐えられなくて、語る、しゃべる、つぶやく、笑うで、リハ後の反省会は、結構騒々しい。 そんな自己主張の激しいメンバーの中で、クールに微笑しながら沈黙の美学を貫いている男が、てっちゃんである。決して激昂せず、雄叫びを上げず、周りを涼やかに睥睨しては、「ふふふ」と笑ふ。話す時も、城達也も舌を巻くメロウなトーンでさらっとコメントする。メンバーの中では若者の部類にはいるのだが、その物腰は一番のお・と・な・じゃ~ん。 しかし、ひとたび愛機のアメセルを手にすると、饒舌に語り始める。ぴょろろ~とフラジオも切れがいいし、なによりソロの音の選び方が洒落ている。さらにはハーモナイザーをかけて、単音楽器であるはずなのに、一人いっぱいサックスもぶちかます。おヌシ、この時のために、普段は話さないのじゃな、と思ってしまうほどに、OnとOffの差が激しいのだ。 当初はかたくなに、「ボクは動きませんから」と言っていたのに、あのアートスフィアのステージに立ったあとは、「ワイヤレスはどこのメーカーのものが最高ですか」とクールに燃えだした。リハの最中も気を抜くと、ボーカルの横に立っていたりする。やばい、サックスを持つと人が変わるのね。 >他のメンバーより 自分も含めて、サックス始めた方の多くはアルトサックスから始めてると思います。で、大抵スクエア辺りを聞いて始めた方は、やっぱり本田雅人を目指すのではないかと思います。当然自分も例外無くチャレンジしましたが・・・本田氏のコピーを始めるとそのスピーディなフレーズはもちろんのこと、それ以上にあのメロディアスなフラジオがまったく出来ず皆挫折するのだろうと思います。が、うちのてっちゃん、そこらへんが出来ちゃったりします。角松氏のライブのバックやアルバムでは本田氏のソロがありますのでコピーのソロはもちろんのこと、まったくのアドリブでもハイトーンが出てきます。同じサックスプレイヤーから見ればうらやましいかきりです。 当然、持っているサックスも王道”セルマー”です。しかもアルトは羨望のアメセル”マーク7”!それであの腕ならいい音が出て当たり前ですな~。しかも最近は必殺のワイヤレスまで購入して(動き回るのは僕の専売特許だったのに・・・)意外と油断ならない兄ちゃんだ。