こんにちは、発達スペシャリストもっちゃんです。
偏食・・・に困っている状態では、なかなか考えるのは難しいですが、
食生活改善をした結果・・
・・・のその先に到達した場合、実はある「気づき」があります。
それは、まず1つ目としては
食事の改善、特に偏食の克服が多少なりともできてくると、
こどもの発達特性の一部が軽くなっていきます。
そうなると、本人も周りもずいぶん楽になることが多く、
さらに周りの支援者(先生、指導員など)からの「関わられ方」が大きく違ってくるということです。
発達凸凹を持つ子どもたちの多くは、
特有の原始反射や、感覚過敏や代謝的な問題から偏食を持つようになっていきます。
この偏食が続くと、想像できる通り、特定の栄養素が極端に欠乏していきます。
そうなると、たとえば次のような状態が表面化してきます。
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脳機能の不安定化
: 神経伝達物質の材料(タンパク質、ビタミンB群など)が不足すると、感情の制御や衝動性が高まります。
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炎症と免疫の過剰反応
: 腸内環境が悪化し、全身の慢性炎症が引き起こされ、不機嫌や集中力の低下につながります。
でも、食事療法を通じて偏食をある程度(完璧ではなくとも)改善できてくると、
子どもの栄養状態が整ってくるので、それが逆に働きます。
つまり、食事のせいでひどく増幅されていた、困っている特性の「ノイズ」が軽減されていくイメージです。
その結果、行動が穏やかになったり、
睡眠や排泄が整ってきたり、
感覚などの過敏が落ち着いてきたり、
生活の質(QOL)そのものが向上するのを保護者の皆様はすぐに実感されるでしょう。
しかし、真の療育はここから始まります。
偏食や代謝障害によって引き起こされていた、
過剰な興奮やパニックといった「表層のトラブル」が落ち着くと、
その奥に隠れていた子ども本来の「真の障害特性」が、より明確な形で姿を現します。
これは一見すると「新たな問題が出た」と感じるかもしれませんが、
実は大きな進歩です。
環境要因のノイズが消えたことで、
初めて療育のプロフェッショナルがアプローチすべき真の課題、つまり、
「どう、本人の困り事を解消してあげるか?」
「どう社会性を育んでいけるか?」
「どのようにコミュニケーションスキルを伸ばすか」
といった、認知や社会性の領域に焦点を当てられる余裕が生まれていきます。
食事による代謝障害で起きるトラブルは、
結構、すぐに対応しなければならないことが多いです。
即対応が必要な目に見える形で、保護者を疲弊させていきます。
たとえば
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低血糖: 血糖値の乱高下は、攻撃性や癇癪に直結します。
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アレルギー・免疫力の低下: 頻繁な体調不良は、療育や学習の機会を奪います。
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便秘: 腸内環境の悪化は、脳腸相関を通じて、自閉スペクトラム症(ASD)や多動性障害(ADHD)の特性を悪化させることが知られています。
こうした緊急性の高いトラブルに対応しているうちに、
保護者は自分自身のエネルギーを使い果たし、
「根本的な障害特性の療育」に目を向ける心の余裕がなくなってしまいます。
だからこそ、私たちは「食事の改善」を療育の土台作りとして最優先すべきだと考えます。
そして、その先にあるものとして
「成果の出る時間軸」
という視点が必要になってきます。
栄養と代謝の改善には、
すぐに成果が出るもの(例:低血糖対策)と、
数年単位で腸内環境や脳細胞の代謝を修復していく必要があるものがあります。
残念ながら、成果が見えない時期が続くと、
「元のジャンクな食生活に戻ってしまおうか」という誘惑に駆られがちです。
しかし、ここで諦めるか、
生活の見直しを「気長に」取り組むかでは、
お子様の数年後の成長に「天と地ほどの違い」が出ると断言できます。
分子栄養学は、体を作り替えるための確かな科学的根拠を提供します。
時間はかかりますが、正しい知識に基づいた食事療育は、
一時的な対症療法ではなく、
子どもの脳と体の「地盤」を固める確実な投資となるのです。
栄養面からのアプローチは、療育の「奥の扉」を開く鍵です。
目の前のトラブルに振り回されるのではなく、
代謝の土台を整えることで、お子様が本来持つべき穏やかさと、
成長のためのエネルギーを引き出しましょう。
私も一緒に、その長い道のりを伴走いたします。

