カウンセラーの先生に、私は大学を辞めたいと話した。
「大学をやめてどうしますか、何か予定はあるのですか?」
「いえ、今は何も考えてはいません。ただ、暫く一人になって考えてみたいのです。アパートを借りて家を出るつもりです。」
「生活はどうするんですか?」
「しばらくは貯金があるので、半年くらいしたら働くつもりでいます。」
「そうですか、何か大学でありましたか?」
「いえ、特に何があったというわけではないんです。ただ、最近妄想もひどくなっているようで。環境を変えた方がいいのかなと思うんです。私は、人と深く付き合うのが苦手なんです。
初めのうちは良いのですけど、長くなると色々胸の内だとか、過去の経験だとかを話したりもしたくなるのですが、そうするとちょっと変な風に思われるのが怖くて、それが面倒になるんです。
それと、プログラマーをやっていると、色々と分からないことをサイトで調べるのですが、その際世界中の方からメッセージをもらうんです。そのやり取りの中で、間違ってくるメッセージもあるのですが、時々全く知らない言語のメッセージもあるんです。Lei,とかLeuとか使うのでラテン系かなとは思うのですが、メジャーな言語ではなくて、ラテン語とも違っているようです。
最近その言語のメッセージが頻繁で変だなと思っていたんですが、私の前の担当の方の裏サイトを偶然見てしまって。そこには宇宙からのメッセージが記録されていて、どうやら交信していたようなんです。それを見たときに、自分もこうなるのかな、と少し心配になってしまいました。」
「そうですか、それは少し心配ですね。でもご自分で心配だなと思っているうちは大丈夫ですよ。k君の場合には、今まで仕事もして生活ができていますし、ご家族の方にも迷惑をかけているわけではないので、病気ではありませんから。ただ、少し気分を変えてみたいのなら、大学をやめて家を出るのも良いかもしれませんね。自分の好きなように生きるのが大事ですから。ただ日常の生活だけは続けるようにしてください。」
先生に全てを話したわけではないが、少し気が楽になった。病気がちの母を残して、一人で生活するのは少し不安な点もあるが、今踏み出さなければずっとこのままグルグルとした不安を抱えることになりそうで、それを思うとやはり振り切ろうと思う。母のことだとか、仕事のことだとかあれこれの言い訳を持ち出して、自分自身の不安から逃げているだけなのだ、と思った。