十和田湖で。
ミトラがセルナに声をかける。
「セルナ。お前はこれからどうするんだ。また研究室で働くのか?」
「はい、ここで皆さんとお別れです。お世話になりました。」
「結局、何も見つけられずに、すまなかったな。」
「いえ、僕の方こそ、助けていただいて有難うございました。それから、龍神様にも亜wましたので、何か、もう一人の僕が少し理解できた気がします。」
「そいつは、最後は彗星になって、自分で爆発したんだろう。普通そこまでは出来ないよ。たいした奴だな。」
「僕は、その時何が起きていたのか分からなかったんです。けれど、もう一人の僕は、真剣に地球と、惑星ルーム・ノヴァスの両方を救おうとしていたんだと思います。
分かったんです。争いで解決しようとすると、『暗黒』を呼び寄せるんだな、と。つまり、『暗黒』や彗星は、自分の心が生み出しているのだな、と思います。
龍神様が言っているのは、そのことなのだなと思いました。」
私は、ご主人様に聞いた。
「で、私達はこれからどうしますか。」
「トシマクのピアノバーで聞いたんだが、青森においしい酒があると云うんだ。津軽三味線を聞きながら飲めると言っていたな。」
「恐山もあるし、青森に行きましょう。」
ミトラが言う。
「ついでに北海道もいけたらいいですね。」
研究室で。
アラン教授は、会議から戻って、『創世記』を探すことは無理だったと言った。
宇宙船団に対し、アメリカ連邦は攻撃をする可能性があるとも言った。
この先どうなるのかは分からないが、タブレットの解読を通して分かったことは、私達の文明はまだまだ未熟だという事だ。
このタブレットを創った人々は、戦争の愚かさを知っているのだろう。戦争を呼び込むのは、私達の心なのだ。だが、あの『隠されたルーム・ノヴァス』のように、戦争を否定する世界があるはずだ。そこへ向けて文明は進むしかないのだ、そうでなければ戦争で滅ぶのだから。
しかし、アラン教授が、戦争に反対してくれたことは良かった。ウシュパルク教授とも協力してくれた。以前は、自分のことしか考えない人かと思っていたが、そうではないことが分かって良かった。
これからも私はこの研究所でアラン教授の下で研究を続けるだろう。その前に地球が滅ぶのかも知れないが、結局私達は、私達にできること、研究を続けるしかない。
タブレットが、再び動いた。
「メスティアの村に方舟が送られた・・・」
― 完 ―
ルーム・ノヴァスの伝説は、終了です。お読み頂きありがとうございました。