ジームラ・ウントの宇宙船団で。
「総理、タブレットがセルナの記憶の世界につながりました。
セルナがメスティアの教会に入ったのです。ですが、セルナは記憶が不確かのようです。
このままでは、『創世記』を見つけることはできないかも知れません。
如何致しましょうか?」
「セルナに『創世記』の記憶を取り戻させねばならない。何か良い方法無いものか。」
「では、使いの者を送りましょうか。そのものとの対話で思い出させるのは如何でしょうか?」
「そうだ。使いを送ろう。その様に手配してください。」
メスティアの教会で。
司祭の質問にセルナは応えられなかった。何を求めているのか?それすらも分からなかった。
私ロクサーヌは見かねてセルナにこう話した。
「無理に思い出そうとしなくても良いのではないですか。
思い出すのではなくて、今のあなたが求めているものをゆっくり探せばよいと思うけど。」
ミトラも言う。
「そうだよ、思い出そうにも脳みそが半分になってるのだから仕方ないよ。それよりも、ここはヨーグルトが旨いって聞いた、それを食べたらどうだ。」
ご主人様も「そうだ、まずは腹ごしらえしよう。そうすれば何か良い考えも浮かぶだろう。サマルカンドから、休みなく旅したのだから。休もう。」
私たちは教会の司祭にお願いして、村の市場へ案内してもらった。
市場で食料を仕入れ、教会に戻ると夕食の支度をした。コーカサスと言ってもアラビアに支配されて100年は立っている。かなりアラビア風の料理になっていた。
羊の代わりにひな鳥の焼肉を食べた。そしてチーズ入りのパン。カスピ海ヨーグルトなど。
名物は葡萄酒だ。『葡萄酒を飲み干すように敵を飲め』というのが挨拶だった。
その夜は教会に泊めてもらった。
夜、眠り込んだセルナの夢に、マナフと名乗る使いが現れた。セルナが高原の川で水を汲んでいると、南の方角から、木の枝を手にしたマナフが近づいてきた。
そして「お前は何を求めるのか、何のために努力するのか。」と尋ねた。
セルナは、昼間は答えられなかったのだが、今はすぐに答えることができた。
「僕は、正義を求めています。正義のために努力するのです。」