宇宙の闇の中で。
私アルジュナは、かつて戦乱の世に生まれた。そこで、私は王族の一人として戦っていた。しかし、骨肉相食むその争いの浅ましさに心が迷っていた。
敵方と味方に分かれた血族の一門。兄弟、父、母方、叔父、従兄弟、どちらにもそれぞれの一族がいるのである。正義があるにせよ、親族が親族を、裏切り、殺しあうということが悲しく思えてならなかったのだ。
これは、やがて一族を滅ぼすだろう。このようなことをしていては正しい秩序が失われるだろう。それは、国を滅ぼし、永遠の罪をおかすことになるのではないか。
そこで、私は迷い、一人悲嘆に暮れていた。戦いたくなかったのだ。だが、戦わなければ、やはり私の一族が滅びる。妻も、子も敵に殺されるだろう。何故、このような戦乱を神は生み給うのか。これが人として生まれた宿命なのか。
私は、戦いを避け逃げ出したくなった。
だが、その時神の声を聴いたのだ。神は私にこう言った。
「この世で見えるものは、真実の存在ではない。お前は嘆く必要のないことを嘆いた。正しく見る者は、死者のことも、生者のことも嘆かない。
全ての存在は滅ぶことがない。かつて存在しなかったことがなく、これからも存在しなくなることもない。ただ、目に見えるものは生れ、死に、再生する。それを繰り返すだけだ。
私は一切のものを憎むこともなく、愛することもない。すべてに平等である。しかし、信仰心をもって私に祈るものがあれば、その者は私のうちにあり、私はその者のうちにある。
私は、私に祈るものの一切の罪を解放するだろう。だからアルジュナ、お前は憂うる必要はない。
ただその義務を、戦士としての義務を果たすのだ。」
そう聞いて、私は戦いに出た。そして、今は心に迷いを持つ者の声を聴いている。
その心の奥の声を叶えようとしているのだ。
全ては迷いなのだ。そして、善悪よりも、心のままに生きることが大事なのだ。
結果はすべてまた引き受けて生きればよいのだ。