飛行船の中で。

 

セルナは黒い石となってしまった自分の姿を見て、茫然としていた。

 

そこへ、遠くから声が聞こえてきた。

「この世界はどうだ?お前の望む武器はすべてここにある。お前はこの武器のすべてを手に入れたのだ。これらをすべて自由に使うことができるのだ。」

 

セルナは、しかし黒い石となってしまってはどうすることもできないと思った。

「これのどこが、僕の望むものなのだ?このような黒い石の姿となってしまっては何もできないではないか?」

 

遠くの声が答えた。

「お前は、黒い石の真実をまだ気づいていないのだ。これはお前の心の奥の声だ。

お前は、その姿のままこの世界のドアを開けた。お前の心がこの世界とつながったのだ。

 

このドアの向こうに広がる世界をよく見ろ。あらゆる武器がそこにある。それを使ってお前はどんな物も攻撃し破壊することができる。使い方は、お前が心に思うだけだ。それだけで、それらの武器はお前に取り込まれるのだ。」

 

「しかし、ここには武器以外何もないではないか。何を攻撃するというのだ?」

 

「そのドアから一歩進み出るのだ。そうすると、また世界が広がる。お前が動く一歩毎に世界が広がるのだ。それは無限の宇宙につながっている。

 

お前が、破壊したいと思うものは、その宇宙にある。繋がっているのだ。

前に出て、武器をつかむのだ。」

 

セルナは、試しに一歩前に進んで、目の前にあった武器をとってみた。

心の中で武器を手に取る姿をイメージすると、その武器が黒い石に取り込まれ、石は大きくなった。

 

そして、手にした武器、それは電子銃のようなものを撃ってみた。

虚空の中にレーザーが光った。

 

セルナは、それが面白いと感じた。それから次々と、武器を取り込み、撃ってみたのだ。そうすると、世界が広がった。無限の虚空が開いてゆく。そこに向かってどんどん進みだした。

 

「これは、面白い。何故だか打ち放たれた光を見ていると、心がスッとする。

止められなくなる。」

 

 

遠くの声がまた言った。

「どうだ、思い通りになるというのは楽しいだろう。だが、撃つ相手がいればもっと楽しくなれる。宇宙に探しに行くこともできるのだ。そうしてみてはどうだ?」

 

それは、セルナの心を誘惑した。