研究室で。

 

セルナ君の意識レヴェルが急速に低下した。

「教授、セルナ君の様子が変です。意識レヴェルが急速に低下しています。」

 

「セルナ君から何か言ってこないのか?」

 

「何も言ってきません、ストップの信号もないのです。

でも、意識レヴェルはもう半分以下です。このままだと危険です。」

 

「分かった、一旦停止して、こちらに戻そう。急いでくれ。」

 

「緊急用の接続コードをONにします。もとのコネクターの接続は停止します。」

 

「セルナ君、セルナ君。」

 

しばらく呼び続けると、セルナ君は目を覚ました。

 

教授が心配そうに声をかけた。

「セルナ君、気が付いたか、大丈夫かね。一体何があったんだ?」

 

セルナ君は、ぼんやりと宙を見つめていた。

 

「教授、セルナ君はしばらくこのまま休ませておきましょう。呼び掛けても返事がありません。」

 

「うむ、そうだね。今日は、とにかく休ませて、体力の回復をまとう。栄養剤の点滴の準備を頼んだよ。」

 

「はい、医務室に連絡して用意してもらいます。」

 

セルナ君を、医務室に運び休ませることにした。

 

一体何があったのか?

アラン教授の指示で、セルナ君の意識レヴェルが低下する直前から、シミュレーターを解析することになった。

 

「教授これを見ると、セルナ君はヨルダネスとは別行動をとっていたようですね。

そして、途中からは、ティム・テギュンの身体からも離れたように見えます。」

 

「それは、どういうことだろう?」

 

「よくは分かりませんが、ティム・テギュンの位置情報と、セルナ君の位置情報が分離しているのです。」

 

「シミュレーターに異変が起きたのだろうか?」

 

アラン教授は、シミュレーターの物理的な事故を考えているようだった。

 

でも私は、タブレットの所為ではないかと疑った。きっと、このタブレットの中でセルナ君に異変が起きたのだ。けれど、それを知るのはむつかしい。教授にも説明できそうにもない。

 

しかし、セルナ君のあの様子はきっと何か危険な目にあったに違いない。

私は、そう確信したのだが、結局セルナ君の回復を待つ以外には確かめることもできなかった。