私セルナ・ラガシュは、教主の話を聞いた。

しかし、それは私の想いとは違うものだった。

教主は既に、世界を変えることを諦めている様に、私には見えた。

 

 私は、何故か話を聞いているうちに悔しさを覚えた。私はジームラ・ウントの文明を見た。

彼らが、彗星を攻撃し破壊するのを見た。人々が破滅の淵に立たされ、置き去りにされる様子を見た。

 

 それらの光景を見ているうちに私の心に忍び寄る影を感じた。

何故か無性に、攻撃し破壊したくなるのだ。

その思いは、教主に拒絶されたことでさらに強くなっていく。

 

この思いは何だろう?

悔しさと怒りと、孤立感と、絶望感がまじりあった、この黒い感情は何だろう。

 

「教授、セルナです。ジームラ・ウントは彗星を攻撃し破壊しました。僕は、これからジームラ・ウントの攻撃兵器を調べてきます。」

 

「教授、セルナ君からの連絡です。ジームラ・ウントが彗星を破壊したと言っています。」

 

「ジームラ・ウントが彗星を破壊した?ではあの爆発はジームラ・ウントの攻撃だったというのか?」

 

「はい、そのジームラ・ウントの攻撃兵器を調べてくると言っています。」

 

「分かった、セルナ君に伝えてくれ。ジームラ・ウントの兵器のデータを残らず調べるようにと。

そして、彼らの宇宙船のデータも調べるように言ってくれ。」

 

「はい、分かりました。そのように伝えます。」

 

アラン教授は、これでジームラ・ウントの文明が手に入る、と思った。

 

『セルナ君が、宇宙船と攻撃兵器のデータを持ち帰ってくれば、それを利用してERUが優位に立てるだろう。地球を支配しているのはCTUではないことを、彼らに思い知らせねばならない。』