研究室で爆発を見た私たちは、まだそれがジームラ・ウントの攻撃によるものだとは知らなかった。

 

「教授、今の爆発は彗星によるものでした。」

 

「うむ、これはもしかすると、今小惑星帯にいる彗星と同じ現象なのかもしれない。あの彗星も大きくなりつつあるとの報告を聞いた。」

 

「もしそうならば、やがて巨大化して爆発する可能性があるということでしょうか?」

 

「その可能性はある。問題はそれがいつ起こるかだ。地球との距離によっては、無傷で済む可能性もあるが、場合によっては、地球に甚大な被害がもたらされる可能性もある。」

 

「どうしましょうか、これは連邦政府に報告すべきでしょうか?」

 

「うむ、報告はすべきだが、今ではない。まだセルナ君の連絡を待つ必要がある。」

 

「セルナ君は大丈夫なのでしょうか?」

 

「彼からの信号はまだないのかね?」

 

「はい、まだ何も変化はありません。」

 

「だとすれば、彼は無事なんだね。しかし、あの爆発を見ても何も言ってこないとは・・・。まるで彼は、その事を知っていたかのようだね。」

 

「ええ、私もなんだか不思議な気がします。普通なら、すぐにもストップの合図を送ってきそうなものですが・・・。」

 

「それにしても、この彗星にどのような対策が考えられるだろうか。今の我々の科学では解決できそうもない・・・。しかし、一つ方法がある。」

 

「それはどんな方法でしょうか?」

 

「ジームラ・ウントの科学技術を利用することだ。」

 

「えっ、どういうことでしょうか?」

 

「ジームラ・ウントの技術を利用して、彗星が爆発する前に破壊してしまうということだ。」

 

 私はアラン教授の思考のスピードについてゆけなかった。

何故なら、この研究は惑星ルーム・ノヴァスの資源を活用するために始めたことだからだ。

しかし、今教授は彗星を破壊する方向に考えが向かっている。

 

「でも、教授。それは私たちの研究の趣旨からは少し違っているのではないでしょうか?

あの彗星に対する調査はCTUが行っていることではないのでしょうか?」

 

「オリガ君、状況が変わったのだよ。この彗星がどれだけ危険かわかってしまった以上、その対策を考えるのは、それを知ったものとしては当然の義務だ。つまりこれからは、この彗星に対する調査も我々が行う必要があるということだよ。」

 

それは確かに正論ではあるが・・・。CTUが納得するのだろうか?

 

「オリガ君、僕はこれから連邦政府のメルブ課長に会ってくる。彗星の状態を確認してくるつもりだ。」

 

「あの爆発を報告されるのですか?」

 

「いや、それはまだだ。まずは状況を確認してくるよ。セルナ君のことは頼んだよ。」

 

「はい、承知しました。いってらっしゃいませ。」

 

 アラン教授はもしかすると、この状況すら自身の手柄にしようと考えているのかも知れない。

 

 だが、私はこの展開の速さについていけていない。

 私は、何の為に、何をしようとしているのか?

 ただ状況に流されているだけではないのか?