セルナによるタブレットの解読

 

ジームラ・ウントによる統一戦争 2

 

「 ジームラ・ウントによる統一戦争は、すでにヨルダネスがルーム人の文明を調査研究した頃から計画されていたことでした。科学技術者たちによって、文明の実態が明らかになるにつれ、ジームラ・ウントでは、新しい文明に対する期待が高まっていたのです。

 

 過去の歴史を見ると、古代の文明では人は自然を畏れ敬い神とみなしました。これが幼年期でした。

中世では、人は自らの内に力を見出し、個人の能力を発揮すると同時にその残酷さを恐れ、内省的になり神に心の救いを求めました。これが少年期です。

 

 近代では、科学技術の力によって予言は必要とされなくなったのです。

自分の力で自由に世界を見る、自分の行動に自分が責任を持つ、そのように変化しました。青年期と言えます。しかし、まだ大人とは言えないのです。

 

 社会的存在としての人には、2つの傾向があります。一つは、共同作業への参加、社会の一員として平和を求める傾向です。もう一つはその反対に、社会に対する拒絶、孤立化の傾向です。

 

 この矛盾した傾向のため、自己の自由を実現するためには自己自身を支配することが必要なのですが、それが同時に社会を支配することにつながり争いが絶えないという結果になったのです。

 

 

 メサスの神官とその信者の抵抗は、彼ら自身の自由を守る為でした。

このままでは絶滅戦争になりかねません。それはジームラ・ウントの政府にとっては予想外だったのです。

 

 ジームラ・ウントの政府は、この戦いが自由のためであると信じて始めたことでした。そして彼らか見たメサスの神官と信者は、狂信者に見えたのです。互いに相手を悪魔のように思ってしまいました。

 

 そこで、ジームラ・ウントでは、密かに特使をメサスの神官と、キッシュの王に送りました。

核融合兵器による世界の終末の映像を見せることで、戦争の継続を断念させようとしたのです。

キッシュの王は、和平に応じました。自治権を与えることで東方に退いたのです。

 

 問題はメサスでした。神官たちは2つに分裂しました。和平派と、戦争継続派です。ジームラ・ウントは辛抱強く交渉しました。和平に応じた地方の諸都市には自治権を与えると同時に経済援助をし、新しい技術と文化を与えました。

 

 こうして大衆がジームラ・ウントの新しい文明を受け入れるまで待ったのです。最終的にメサスの全ての都市、地方と和解できるまでに100年かかりました。

 

これが今から100年前のジームラ・ウントの統一です。」

 

明日は、期限の3日目である。

 

 しかし、ここにはまだ読まれていない記事がある。

ヨルダネスのその後と、統一後のジームラウントの世界、ペーシュウォーダ(先に創られたもの)の伝説である。