11月21日(木)から24日(日)まで公演されていました、劇団未成年 第16回公演「死神からの贈り物」の千秋楽の2公演を水沢有美さんのお誘いで観劇してきました。

場所はお馴染み築地本願寺ブディストホール。

とても好天の築地本願寺。

水沢有美さんは今回なんと!”死神”の役。

あらすじは・・・・

「死神と貧乏神の手違いで黄泉の国に送られた男が、そのお詫びとして自分の一番輝いていた青春時代に戻してもらう。

何十年ぶりかでの彼女との再会。

よみがえる心のふれあい、当時伝ええる事ができなかった想いと言葉を初めて口にした時・・・

人生とは? 命とは? 本当の幸せとは?

心温まる涙と笑いのファンタジー。」

(フライヤーより引用)

水沢有美さんからお誘いを頂いた時、ちょっと変わった死神の役だと聞かされていました。

その時には水沢さんが死神?と思ったのですが、一般的にイメージするフライヤーのイラストのような死神とは違い、とてもチャーミングで可愛い死神でした。

特に冒頭のシーンで有美さんの演技に注目したのは、普段の生活ではやらないであろう、死神ならではの手と腕の動き。

それは魔法使いが空中から物を出すような、黄泉の国への片道切符と死者のプロフィールを確認する書類を空中から取り出す仕草は、目に見えないそれらが本当にそこにあるように見えたこと。

とても滑らかで自然な感じでした。

物語は黄泉の国に死神(水沢有美さん)と主人公 鈴木純太郎(水島涼太さん)が登場し、ここからお二人による長い芝居に入ります。

冒頭から水沢さんと水島さんの掛け合いの演技が素晴らしかったです。

そして貧乏神(神林美樹さん)が加わり、純太郎の死が間違いだと気付き舞台は純太郎がいる病院へ。

そこには40年前に家の財産を持って行ってしまった長兄の純太郎を良く思っていない姉妹家族が揃っていたのですが、各々の家族の関係や純太郎への思いなどが語られ、そして青春時代に戻った純太郎が彼女と再会し、伝えられなかった言葉、最後には衝撃な事実と共にとても切なくも微笑ましいラストは泣いてしまいました。

この物語は長女なが子役の浅井あまみさんが高校の時に書いて上演した脚本を座長の水島さんが若いころギターをやっていた頃の思い出と親友から聞いた話を基に作り上げたそうですが、良い脚本でしたね。

舞台はソファーとテーブルだけのセットでしたが、病院やスナックへ違和感なく使われていましたし、死神、貧乏神、純太郎の存在を周りは暗くして巧くスポットライトで浮かび上がらせた照明の使い方は、その存在を上手に表現されていたと思いました。

そして純太郎が一番輝いていた青春時代=タイムスリップした先は1972年から1979年頃であることを、”銀座ナウ”や”ラジカセ”と言ったワードにより、劇中では明確に時は語られていませんが、巧みにその時代或いは遠い過去を想定させる演出は見事でした。(おそらくは今の人には分からない言葉だと思いますが)

劇中では純太郎が弾くギターと純太郎が逢いたかった彼女=麻衣(槻城 耀羅さん)の、歌のハーモニーもとても素晴らしかったです。

とても良い感動を味わさせて頂きました。

死神の水沢有美さん

貧乏神の神林美樹さん

麻衣/美奈役の槻城 耀羅さん

スナックのママ役の桑野結女凛さん

長女婿 修一役のうちだけんすけさん

 

 

皆様お疲れさまでした。

とても良い座組、舞台でした。

約1時間40分と比較的短めな舞台でしたが、大きな感動をありがとうございます。

 

次の機会も期待しています。