岡本綺堂「半七捕り物帳」より、朗読時代劇『磔刑(たっけい)の女』 、見てまいりました。

 

 

 

天保12年7月、日本橋の金物問屋鍋久の主人久兵衛が殺され、その新妻お節が新堀川に身を投げた。

岡っ引見習いの半七は、親分の吉五郎と共に事件の謎を解いていく。

一方、老中水野忠邦は、改革の名の下に江戸庶民の娯楽を次々に禁止。 娘義太夫の三十六人も風俗を乱した罪で召し捕られた。

伝馬町の牢で彼女たちを待っていたのは恐ろしい責め苦だった。

そして現代。 新宿のバーで、心理学者白石は、3人の女性から相談を受ける。

彼女たちは皆、海の見える刑場で磔にされるという悪夢に悩まされていたのだ。

天保、明治、令和、時代を超えて、物語が動き出す。

(ちらしより引用)

 

主なキャストは、主演のバーのマダム龍門寺朱音役 児島美ゆきさん、隠居した御用聞き 半七老人に森章二さん、その半七老人にインタビューする作家岡本綺堂役に小野進也さん、岡っ引半七の親分に沖田駿一さん、岡っ引見習い若き半七役に三峰進さん等々。

 

吉本新喜劇みたいな舞台は何度か見に行ったことはありましたが、小さな舞台での芝居を見るのは初めてでした。

特にセットなどはなく、時折後ろのスクリーンにイメージ的な映像が映し出される程度。

 

冒頭、原案・脚本の富田隆氏の挨拶の後、劇のスタート。

現代の新宿のバーで心理学者の白石はバーのマダム龍門寺朱音、画家遠藤沙羅と脚本家今野令子の3人から海の見える刑場で磔(はりつけ)にされるという悪夢に悩まされるという相談を受けます。

舞台は少し遡って、明治時代。

作家岡本綺堂は隠居した御用聞き半七老人に昔の事件の話を聞いています。

それは天保12年7月に起こった日本橋の金物問屋で主人の久兵衛が殺された事件についてです。

そして天保、半七の親分吉五郎と岡っ引見習い若き半七はその事件の謎を解いてゆくのですが・・・そこで登場する大阪屋花鳥という女が大きなカギとなります。

 

天保に起こった事件と現代がどう結びつくのか?そして悪夢と事件の関係は意外なものでした。

 

出演者が皆台本を読みながらの朗読劇や、セットもない簡素な舞台でのお芝居でしたが、演者の演技力とスクリーンのスポット映像でイメージは想像できましたし、なにより脚本が良かったですね。

なかなかおもしろかったです。

 

沖田さんは芝居が終わってすぐに、ご自身のお店「La・Shion」へ戻られました。

 

28日(土) 14:00/19:00、29日(日) 13:00/17:00 まだやっています。

ご興味のある方は、是非。

 

そして、岡本綺堂「半七捕り物帳」シリーズ『浴衣の女』が2020年3月12日(木)・13日(金)・14日(土)・15日(日)に同じ劇場で公演されるそうです。