昨日は春そのものだった。
北国では路面凍結して車が横滑りしてるのを旧ツイッター、Xでみた。
11時30分、約束した時間に着いた。
喫茶店でしばらく話して、同居していた時よく行った中華やさんに入った。
ラーメンと半ライス、もつ煮込みを注文。
相手はワンタン麺。
クナイプの入浴剤三種類と地元名物のおまんじゅう二個とお煎餅数種類をあげた。
月末なのにお金ないでしょう?
わるいわ。
お金たいへんじゃない?
高かったでしょう?
すみません。
《義妹みたい》
ラーメンともつ煮込み、最高においしかった。
コロコロも買えたし、以前彼女に株主優待券で奢られたしゃぶしゃぶのお礼もできたしお仕事完了。
彼女はマツキヨの10パーセント引きのレシートをくれた。
彼女の職場の近所のお漬物を買ってきてくれた。
2品450円。もちろんお代は支払った。さすがに市場は安い。
職場のお爺さんがくれたという鈴カステラを大量にもらった。
春雨は太るから食べないと、春雨と数の合わないセットのスープの素をもらった。
慈善団体がくれたものなので、随分前に私も同じものを食べた。
スープの素は捨てて、ハムと胡瓜で春雨サラダを作って食べた。
坦々麺と中華スープの素はスープとして飲んだのね。
白湯スープの素2袋と中華スープの素1袋が入ってた。
地元駅に着いてホームの椅子に座って、鈴カステラを一口かじった。
途端にお爺さんと汚いトイレが浮かんだ。
口から吐き出して大量の鈴カステラの入った紙袋をギュッとまるめてごみ箱に捨てた。
迷わず。
逡巡するなら喰え。
帰宅していつのまにか眠った。
目が覚めて彼女が市場で買ってきてくれた牛蒡の甘煮とべったら漬けを切った。
鈴カステラを捨てたことが離れない。
彼女はずっとトイレ掃除の仕事を続けている。立派だ。
尊敬している。仕事に貴賎がないと思ってる。立派ですねというと「トイレ掃除ですよ」と、私の眼をみる。
私は継続してるってことがなにより凄いですよ、と眼を見て応える。
トイレ掃除。貴賎はない。
鈴カステラを吐き出したわたし。
職場のお爺さんの大好物であろう鈴カステラ。
トイレ掃除を真面目に働く彼女はお爺さんの眼には娘のように映るのか。
私にくれた量が半分で自分でも半分とってあると言うけれど、多分嘘。
わたしは生活に困っていて、お金がない。だから食べかけのものもくれる。鈴カステラもくれる。
牛蒡とべったら漬けはまずくないが気が削げた。
わたしは腐りかけの林檎を要らないといえない。
お爺さんのおすそ分けの鈴カステラを要らないといえない。
太るから食べないと前置きされた食べかけの春雨スープセットを要らないといえない。
私の困窮を心配する前にどうしてありがとうって言えないの?といえない。
暮らしの貧しいわたしはきっとだれかを元気にする。
わたしは泣き言を言ってだれかに喜びを与えない。
わたしなら封を切った食品を、自分が食べない鈴カステラを友達にあげられるか考えたが、ありがたいと思えない、断ることもできない、ひっかかってしまうわたしが罪なのか。
ここが戦場ならありがたい。
あれ?そのパンツ買ったの?
観察眼がなにによって芽生えるのか考えたら更におちた。
前からもってるものですよ。
段ボールをあけたらあったから今日初めて履きました。
はよかえってねよと思った。
思うことをなんでも口にしていいわけじゃないと、何度も伝えたが。
疲れる。
元親友の反応を思い出した。
いつも同じ格好で会う私に違う服であったとき、『どうしたのその服?』怒っている眼差し。
黒地のベティブープの半袖シャツと薄い水色のカーゴパンツ。
ジーンズ履いてるの珍しいね。私も履くよ。
見目麗しいだれがみても美しい元親友は、その次にあったときデニムパンツを履いて上半身はエレガントなシャネルを模倣したようなジャケットを着ていた。
みくだした人間には菩薩になれる。
みくだした人間の反旗とみるとことばや態度が人間に成る。
元親友も元同居人もわたしのこころを話したら、きっとこう言うだろう。
ひねくれてる。
考えすぎ。
要らないなら断ればいいじゃない!
ひとの親切をなんだと思ってるの!
そのとおり。