食事量に対してうんこの量がまったく釣り合ってない。

流石に我ながら恐ろしい。

夢はみるが、ファミレスでハンバーグやパスタをがっついていたりお菓子を片っ端から貪ってる夢を見て目が覚める。


横を見ると透明のポリ袋に昨晩、片っ端から食べ尽くしたお菓子やおにぎりの包みがみえる。覚えてるものもあればこれも食べたのかと袋の中のゴミで思い出すこともある。

先月精神科で【カウンセリング】を一度受けてみた。

25分で3850円。

この過食症的な食との関係は幼少のころから始まって、私はカウンセラーに何から話していいのか分からずとまどった。


『一番困っていることを話してください』とカウンセラーは言ったので、過食について話したいと申し出た。

そして私の異常なる食の取り方、過食中の一心不乱の集中力、過食で故に助かり故に身を滅ぼしつづけた、続けていることが【困っている】と応えた。


依存だと私は思う。過食中毒。

私の脳はささやかなストレスでさえも、食べ切る食べ尽くして吐く手前まで腹がふとまらなければ、解消を認めない。

今の体重が人生最大値で、この半分の体重を落としたことが24歳の時にあり、約半年~一年維持して、リバウンドした。


その一年間に起きたこと。

仕事帰りにナンパされ電車に乗れば頻繁に痴漢に遭遇した。

仕事へ向かう日中風俗店のスカウトに声をかけられたりアダルトビデオの勧誘にも遭った。職場の女たちからどうやって痩せたのかしつこく尋ねられた。かわいいとほめられた。


くらい。

くらいだが人生すべて初体験ばかり。

私は喜んだかというと、【お洒落をする】という女性に与えられた一つの大きなしあわせは得たが落ち込み続けた。

特に男性からのナンパに。

わたしの顔は声をかけたい衝動を与えたの?

わたしの後ろ姿はあなたの男の何かを刺激してそんなにつきまとっているの?

わたし半年前まで見知らぬあなたと同じような若い男にすれ違いざま『でーぶッ』って吐き捨てられて嘲笑の存在だったんです。

このかわいらしいお洋服を脱ぎ捨ててコルセットもブラジャーも外して、もはや欲望はないでしょう。分かりきってるその先に私は絶望した。

そしてだれの誘いにものらずのれず、いつしか痴漢に慣れきって瞬間の欲望の対象に選ばれることを痩せた恩恵に感じた。

そのストレートな欲望の形、耳ににかかる浅く早い吐息や服ごしに当たる変化は驚きとショックと、まったくの喜びがなかったとは言えない。

女の性を男の的にされるという普通の女性ならとうに経験済みのよろこびを痴漢や服ごしのナンパ男に味合わせてもらった。


そして【裸になれない】と決めつけた私はまた食べはじめた。

高度肥満者が陥るリバウンドダイエットのループ地獄。

性欲は己で充たせるのだから食いたいじゃないか。洋服の上から私を選んでくれたってセックスなんかできませんからね。

わたしはこころをはだかに今もできない。

じんせいではだかになったのは夫きり。しかもほぼ無理矢理。

他は服を着たままブラジャーも外させず挿入のみ。首から陰毛まではご想像でどうぞ、と。そんないびつなセックスでよろこびなんてあるはずもなく、ただ男が果てた事実だけが私を支えた。

わたしの人生はセックスのよろこびを知らず死んでいく。かなしいが閉経してからは性欲も失せて渇望も差ほどになくなった。


で、だ。

わたしはやせたい。

やせたい。のよ。

やせてしにたいのよ。

なのになのに現実は真逆。覚醒剤中毒者の心境と酷似してるはず。

やめたいけれど欲望という脳の司令に負け続けているの。

街録で高知東生が切羽詰まった顔で覚醒剤の魔力を話していたが、その強さなら解る。生い立ちから環境がそこへ行き着かせたとして、世間は、社会は『結果』のみを糾弾し、なにより自分自身がいちばん自分を責めているはずで、絶望しているはずだ。

くりかえすほどに泥沼にはまり込んでいく。

はまり込んだ私は結婚相手を見誤った。

むしろ夫をお似合いだとさえ思った。

破れ鍋に綴じ蓋であれ、損なっている箇所を足りる側が補えば一つの立派な鍋になれると信じたのだ。

ふたりで助かりたかったように、いまは思う。


けれど夫はお金持ちになりわたしの【心】は不要になった。


夫との離婚が成立して私が生きていたとして、贅肉は邪魔であることは変わらない。人生を余生をたのしむのに贅肉が邪魔する。

男に賛美される為、性欲の快楽を男と充たす為、同性のおばさんにどうやって痩せたのと羨望の眼差しと嫉妬の眼を向けられたい為、痩せたいんじゃない。

老後へいく道のりの荷をすこしでも軽くして、謳歌できることを謳歌して死にたい。


常習者の脳を変えることは難しい。

でも今日うんこ2回でた。昨日でたけれどファスティングのおかげか、残りのうんこでたよ!


がんばりたいよ。