レ・プレリュード うんちく | 蒲郡フィルハーモニー ヴァイオリンのページ(別館)

レ・プレリュード うんちく

「四大元素」は、古代ギリシアの哲学です。古代ギリシアの哲学者は、人間が住んでいる世界は、
1.地
2.火
3.水
4.空気
の4つの元素から成っていると考えていました。
「四大元素」というテーマは、作曲家たちに好まれ、ミヨーがカンタータを、ジャン=フェリ・ルベルは管弦楽曲を作りました。

リストの「四大元素」は、
1.大地
2.北風
3.海の水
4.空

の4つの元素がテーマで、男声合唱曲です。
合唱曲“四大元素”はフランスの詩人ヨーゼフ・オートランの詩によるものでした。

この曲は交響詩“前奏曲”の原型です。もちろん別の曲であって異なる旋律も多いですが、交響詩“前奏曲”の合唱曲版という感じです。もともとリストは交響詩“前奏曲”を、この“四大元素”のための音楽形式上の意味での本当の序曲として作曲しました。
1991年 に”四大元素”序曲に”前奏曲”と付け足しただけ(つまり同じ主題を用いているどころか、交響詩”前奏曲”=”四大元素”序曲)の手稿 を発見した。エヴェレット・ヘルム『リスト』 野本 由紀夫 訳 P159 音楽之友社


交響詩“前奏曲”はラマルティーヌの詩によります。
プロローグ____Andante(T.1~T.34)
我々の一生はその厳粛な第1音が死によって奏でられる序曲にあらずして何であろうか。
1.春の気分と愛_____Andante maestoso(T.35~T.108)
愛はすべて生の輝かしい朝焼けである。
2.人生の嵐_____Allegro ma non troppo(T.109~T.199)
しかし、嵐がきて、その青春の幻想を破らない運命がどこにあろうか。
3.愛の安らぎ、平和な牧歌_____Allegretto pastrale(T.200~T.343)
人はそのような平和に満足することができない。
4.戦いと勝利_____Allegro marziale animato(T.344~T.404)
合図のラッパが鳴る時、その戦いが何とよばれるものであろうとも、自分を戦士の列に加えていく。
エピローグ_____Andante maestoso(T.405~最後)
そして争いの中で自分の力の完全なる所有に到達していく。

人生を4つのパートに分けて描き出すような作品
オートランとラマルティーヌ。作詞者もタイトルも異なりますが、リストの作曲の目的は、人生、あるいは世界といったものを構成する“要素”をそれぞれ音楽で表現し、統一的な世界観を描き出そうとしたのかもしれません。

マニアックでごめんo(TωT )