若き獅子たちの仲間入りで、マノビから茫洋に変ったワイ
「若き獅子たち」という言葉のもつ響きが好きだ。いつの時代でも、どんな分野でも、常に「若き獅子たち」ヤング・ライオンが部族の先頭に立って、戦いに身を捧げ、苦難を真先に受けて立つ。目指すは未開の世界で、守るのは我が部族である。徹底した個人主義で、自分のことしか考えないのがアメリカに見えるかも知れない。が、この真性のヒロイズム、ヒーローを讃え、若き獅子たちに拍手を惜しまないのは、米国人だと信じている。もしアメリカに‘きちん’と留学したとする。他の何が身につかなくても、最低でも洗礼を受けるべきはこの精神だ。オバマ、ケネデイが出てくる土壌である。
ワイは現在 29歳の青年。オヤジのマイケルが今年の日本のおもちゃショウには息子をやるから頼むと連絡ある。マイケルは世界の十字路、HKで縦横無尽に40年も闘ってきたいわば名だたる将軍のひとりだが、そんな言い方をするところを見ても、そろそろスローダウンかな。時間がないから、ワイに早朝8時のブレックファストに付き合う。
過去10年来、いつも偉い親父のかげで、のっそり立っている幼児っぽい顔のワイしか覚えがない。今どきののっぽの若者、オヤジの頭越し30センチ上で、少々、‘マノビ’した顔が遠慮っぽく後ろから覗いていた記憶だ。
30分も経たぬうちに、彼の英語が勉強した本物だとわかってきた。
そこで彼に経歴を話させる。わかった、わかった。彼はアイビー・リーグのダートマスで4大生活を送ったのだ。ウン十年前の大昔、コロンビアの先生に米国で大学を選ぶなら、トップレベルの小さい大学、それも本当のアメリカ、すなわち地方校を選びなさいと助言された。そして例に挙げたのが、ニュー・ハンプシャーのダートマス、ペンシルバニアのスワースモア、それとオハイオのオバーリンで全校寄宿生大学だった。特にニューイングランドのダートマスは、女ならスミス・カレッジ、男なら此処といわれた名門男子校。(数年前ついにコーエドになったらしい。)誘惑に勝てず男女共学コーエドのオバーリンを選んだが、奴はいわゆる東部の寄宿学生生活を身に付けたのだ。
その後、アメリカの大学院生の例に洩れず、2年の会社就職の後、カーネギー・メロンでグラジュエイトを終えている。私の記憶にあった彼のマノビ顔が、次第に大海を遠くに見据える‘茫洋’とした人物の表情に見えてきた。彼ならオヤジの華僑の根性を根にして、真性の米国型教練とマナーで自分を拡げていくだろう。久し振りに「若き獅子たち」のひとりに会ったような気がした。彼の本番獅子の闘いはこれから。聞けば、オヤジの代わりに、秋は欧州単独で長期巡回、冬はニュールンベルグとニューヨーク、初夏は日本とニューヨークと行脚を始めている。‘マノビ’から‘茫洋’と変った顔が獅子の仕事が終わって部族のリーダーになった時、どんな表現にふさわしい表情になっているかな?