サムライ・コスプレが共感誘うタックの海外人脈
世界のギョウカイには一年間に色々な規模・種類の見本市が世界各地にあり、ギョウカイ人はそれをきっかけにそれぞれの場所に集まる。出不精な日本人は産業規模にしては、一番海外に出掛けない方だろう。それでも私が一番そこ此処でばったり会うのが、このパイロットインキのタックだ。それだけ日本の外への開拓魂が旺盛な彼である。
彼のルーツを夕食の席で一度じっくり聴いたことがある。博多の中洲のど真ん中の商家が生家だそうだ。昔から朝鮮、琉球、南蛮を相手に栄えた博多商人は関西の近江商品と並んで日本の代表的な商人と云われる。どうも彼にはそのDNAが脈々と残っているらしい。日本的商材を、グローバルでも理想的なネット・デストリビューションに纏め上げたこの20年は彼のこのDNAがあったからだろう。
今年のビッグ・サイトおもちゃショウの6月19日初日の夕べ、彼が東京會舘に集めた友人、特に、海外の友人が入り口で驚いたのは、ちょんまげ、羽織袴姿で迎えたタックのサムライ勇姿だった。
実をいうとこれが彼の最初のサムライ・コスプレではない。2年前、全米での協会による優秀商品の表彰式に、彼は晴れのアメリカの舞台にこれで挨拶してやんやの喝采を受けた。昔から、「和魂洋才」というが、彼はそのつもりなんだろう。500人以上の正装した全米ギョウカイ経営者夫妻の前では、それで張り合おうと腹を据えたに違いない。
本来、万年筆のインキの会社が、幼児おえかき玩具と、日本でトップの抱き人形の事業を構築したなんていうのはどだい愉快な話しなのだ。それを又海外に販売ネットを作ったなんていうのはだれしも認める彼の商魂。ユニバーサル・グッズの玩具のギョウカイだから出来たともいえるがインキの仕事では全く無い。
しかし、常に人間ルーツを大事に行動する彼の気位感覚はこういう所にも出る。今は名古屋に住むそんな彼がおもしろい風情を生まれ故郷博多でもパフォーマンスする。昨年秋、九州で問屋による見本市の慰労パーテイがあった。指名されて挨拶に立ったタックは将に‘完璧な博多生まれの方言’、見事な抑揚で、秀逸な挨拶と土着の民謡を披露した。憎い奴。
ただ、専務というお役目のタックでも、会社という浮世の定めには逆らえない。もうすこしで直接の執行役という舞台からは去るだろう。しかしギョウカイも、こういうキャラクターが産業に彩りを添える。そして「世界の共通語」としてのトイ・ビジネスで、日本と世界に橋を架ける。若者よ、ますますタックの後に続けだね。