山本:それでは、今日わざわざ来て頂いた副大臣の方々にお聞きしたいと思います。
鈴木総務副大臣。
いいですか、わざわざ有難うございます。
何故、不信任採決の前に辞表を提出したんでしょうか。
簡潔にお答え下さい。
鈴木克昌:今あの、総理と委員とのやり取りを拝聴致しておりました。
正に一昨日ですね、わたくしは不信任案に賛成をさして頂くつもりで、総務副大臣の辞職願いを出させて頂きました。
その後、11時前後でありますけれども、総理が辞意を考えてみえるという情報が入りました。
そこで私達は、正に固唾を飲んで、代議士会の様子を聞いておった訳でありますけれども、その時にわたくしは率直に、総理は所謂辞意を考えてみえると、これは、一国の総理が辞意を考えてみえるという事は非常に大きい事だという事で、わたくしは直ちに、もう総理は辞意を考えておられる以上、これ以上私達は白票を投じる必要はないんじゃないかということで、青票を出させて頂いたという事で、ただし、その時期については、正に総理が代議士会でおっしゃったように、一定の目処がついたらという発言でありましたので、わたくしは、目処がついたら総理は辞任をされると、このように、素直にというか、文字通りとらせて頂いているところでございます。
山本:総務副大臣、大変誠実な、正直な答え有難うございました。
それでは続けて、三井国土交通副大臣にも同じご質問させて頂きたいと思います。
三井辨雄(わきお):お答えさせて頂きます。
わたくしもこれまで副大臣としてですね、それなりに一生懸命取り組んで来たつもりでございます。
そういう中でなかなかわたくしの思いが通じない。
特に私達は菅総理のもとでは、被災地の皆さん、そしてまた原発問題、あるいは復興復旧について、これで本当にいいのかなという事を自問自答しながら、実はこういう時に辞表を出すという事は大変断腸の思いでしたし、いろいろ無責任だとか、選挙区でもいろいろな事を言われますけども、しかしわたくしもやはり、政治家であると同時にこれまでやって来た事をきちっとやりたい。そういう思いもございます。
今、お話しありましたように、昨日の代議士会でも菅総理はお述べになりました。
そして今朝、また官邸に総理に呼ばれまして、辞表を返されましたけど、その時、こうした時ですから、わたくしは再び努めさせて頂きます。と、こう申し上げました。
以上です。
山本:有難うございました。
東(あずま)副大臣、ご無沙汰してますが、一言簡潔に、同じご質問させて頂きます。
東祥三:山本一太議員に、本日、呼び付けられたということで、緊張して参りました。
山本議院ですね、僕ら政治家ですから、11年前も山本議院と共に同じ立場で日本の外交という国の骨格について、議論してきたと思います。
今も山本議院、変わってないと思います。
国の大事について、自分自身、3月11日、現地対策本部長としてですね、その現場に当日から飛び、今回のこの未曾有の大震災。
第二次世界大戦以降ですよ。
何万という人が亡くなり、どれだけの財産が失われたか分からない。
正に3月11日以降、日本全体が挙国一致として、この問題に対して立ち向かって行かなくちゃいけない。
そういう状況の中で、一方においては、今オン・ゴーイングの先程も議論があります、この原発の事故があります。
まだ、放射能が撒き散らされていると。
何が何でも、止めて行かなくちゃならないんです。
他方においては、瓦礫の山。
これ、何十年も掛かる量です。
そういうものをやるに当たって、本当に今の内閣の有りようで大丈夫なのかと、その事を明確にしなくちゃいけない。
従って、一日の夜、ご案内の通り、71名以上の現職の議院、代理、そういう人達が集まって、昨日の内閣不信任案、白票投じようと、こういう覚悟をした訳です。
その背景は、正に自民党の皆さん方も白票を投じようと決意致しました。
その時に初めて、僕は今の内閣はですね、本当にこれは大変だという事をお気づきなったんだという風に思います。
そして、2日を迎え、僕はテレビに出てましたから、何が起こってるのか分かりませんでした。
そして、菅総理大臣が代議士の前で切々と語る姿、中身は僕は聞いておりませんでした。
そして、12時45分に国会に戻って来まして、空気が一変している事を感じました。
何が起こったのか。
一方おいては、全力で大震災を踏まえた上で戦い抜くという事を決意した。
そして、それが終われば当然、総理大臣としての任が終われる訳ですから、その趣旨をお話しされた、それによって、多くの人達の気持ちが変わったんだろうと、正にそこにある訳であります。
山本:樋高剛(たけし)政務官おられますか。
ちょっと一言、違う質問させて頂きたいと思うんですね。
菅総理が、これまで退陣と一言もおっしゃってない。
辞意を表明したとも、一言もおっしゃってない。
今の観測だと、例えば原子炉が落ち着く迄っていうのは、自分の言った目処とは違うと言ってるけど、時期も言ってない。
で、もし、原発が落ち着く迄って言ったら何年掛かるかも分からない。
日高さんが、反対に回ったこの時は、総理が辞意を表明するっていう事はこういう状況であるってことを想定したんでしょうか。
時期も分からない、何年掛かるかも分からない。
そういう状況の中で反対票を投じたのか、それとも総理は辞任を表明したと、近く退陣すると、そう思ったからあなたは反対票を投じたのか、そこだけちょっと簡単にお答え下さい。
樋高剛(たけし):お答えさせて頂きたいと思います。
わたくし自信、今回の辞職願いを先ず出させて頂いたのは、こういう震災復興、国家の危機の時は、より強いリーダーシップが必要であると、日高の信念で思った訳であります。
様々、いろいろ逡巡を致しましたが、正直、より良いリーダーシップを求める気持ちから辞職願いを出させて頂いたと、いうところでございます。
そしてわたくし自信、実は岩手県にも住んでいた事がありまして、被災地にも、環境省では瓦礫廃棄物対策というのが大きなお仕事なんですけれども、震災発向以来、10回程現地に足を運んできたと。いう中で提出をさせて頂いた訳であります。
そんな中にありまして、昨日総理が公の場で辞意を表明されたと。
私は被災地に掛ける覚悟を見てとったので、信任たると判断致しまして、青票を投じさせて頂いたと、そういう事であります。
山本:もう一回だけ、辞意表明をしたから反対票を投じたんですね。
その辞意表明は、やっぱり数ヶ月で辞めると、総理は間もなく退陣すると、そういう風に思って反対票を投じたのかどうか、その辺だけもう一度お願いします。
日高:私は期間は分かりませんけれども、覚悟を感じた。
というところが正直なところでございます。
山本:わたくしは今、ご答弁を頂いた副大臣や政務官の方々と、政党も違いますし、立場も違いますし、政策も違うところもあると思いますが、やはり同じ政治家ですから、あの不信任決議案に際して、それぞれ皆さんが葛藤されてギリギリの決断をした心情っていうのが私は良く分かります。
それを思うとですね、総理が退陣を表明したと、あの代議士、外からしか見てませんけど、あの代議士会の鳩山元総理と、菅総理のやり取りを見て、全ての新聞が菅総理は辞意を表明したという事を発信すれば、誰だってすぐ辞めると思いますよ。
それをきっと思って、本当は反対したくない人だって居たかも知れないけど、そこはギリギリの覚悟でやった。
それなのに総理は、退陣だ。あるいは続投なのか。それも言わない。
わたくしはこれは、政治家に対して本当に愚弄する行為だと思います。
わたくしが今迄見た政治家の中で、あなたは最低の人だと思います。
非常に私、総理のご答弁を聞いて怒りを感じます。
はっきり総理に申し上げますが、自民党も震災復興、大事だと思ってます。
わたくしも地元の支持者の方から、いろいろと中央政治は動いてても、政局じゃなくて被災した方々の支援も、一太君良く考えなさいって言われてます。
でも総理ですね、我々もそれは分かってるんです。
三ヶ月間我慢して来たんです。
震災の直後は国会もやりませんでした。
みんなそれぞれ、一生懸命準備した質問も全部やめて、足を引っ張らないように、各大臣に全力でやって貰おうと思って、国会も暫くやりませんでした。
そして一次補正だって、大型連休を使って協力しました。
震災関連の法案だって、我々は、ちゃんと協力したんですよ。
でも総理、一生懸命私達は、片山さつきさんもいますけども、活躍してですね、三次に渡る震災対策の提言も官邸迄持って行ったんです。
でも現実を見てみたら、まだ十万人以上の人達が、避難所で暮らしてるんです。
総理が約束した5月迄の3万個の仮設住宅だって出来てないじゃないですか。
さっき、民主党のお方の方から勇気のある素晴らしい質問がありましたけれども、原発事故対応をめぐる二重三重の無礼はなんですか。
情報の隠蔽、国民の命を守んなきゃいけない政府が的確な避難指示も出せない。
やっぱり、どう考えても菅総理では駄目だと。
私達が連立して、本当に菅総理の危機管理対応能力が上がるんだったら、連立してあなたの内閣の下で、この国を良くする力が上がるんだったらしますよ。
だけど、あなたでは無理なんです。
だから私達は反対してるってことを、改めて申し上げたいと思います。
総理にお聞きします。
あなたが先程からおっしゃっている、辞意を表明するとも言ってないし、退陣するとも言ってないんで、どう言っていいのか分かんないんですけど、あなたがおっしゃっている、恐らく、退陣するっていう目処、一定の目処っていうのは何なんでしょうか。
菅:今、東内閣副大臣、そして鈴木克昌総務副大臣、三井辨雄国土交通大臣、日高つよし環境大臣政務官。
わたくしは、本当にわたくしの、昨日の代議士会での発言を、直接ないしは間接かも知れませんが、しっかりと受け止めて頂いたと思っております。
わたくしはその場で自分の発言として言った事に対して、決してそれを取り消すとか、あるいは変えるとか、そういう事を致したつもりはありません。
ですから、今おっしゃって頂いた皆さんの、そういう形でお受け止め頂いた事も、わたくし自信もしっかりと受け止めて参りたいと思っております。
そして大震災の、ここで申し上げましたように、取り組む事で一定の目処がついた段階でという事を申し上げました。
目処という言葉は一般的にいろんな所で使われております。
それぞれの中で若干の幅はあるかも知れませんけれども、常識的に考えれば、ある程度の幅で一つの目処という言葉がある訳でありまして、そういう意味で、わたくしも目処という言葉を使わせて頂いたところです。
山本:総理申し訳ないんですけど、全然答えてないです。
今、全く答弁になってません。
総理が先程から、報道は関係ないと、総理のおっしゃる事が全てだという風におっしゃいました。それが事実なんだと。
だけど、その事実についての認識が違うじゃないですか。
鳩山前総理が、この衆院本会議直前の代議士会で、不信任決議案への賛成を考えていた議院の方々に反対してくれと呼びかけました。
その際鳩山前総理は、「総理には震災復興基本法が成立し、二次補正予算の目処がついた時点でお辞め頂きたい」っていう風に言ったんです。
その場にいた総理もそれに応えて、鳩山さんが官邸に来てくれたと、文章を頂き確認したっていう風に答えたんです。
この、良く出て来る有名な文章ですよね。
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③に続く…