東京電力、福島第一原子力発電所で復旧作業に当たる作業員達。
 NHKのインタビューにこたえ、「放射能から身を護る対策がずさんだ」と、口々に訴えました。
 
 
作業員Aさん
「安全なんか最優先じゃないから」
 
 
作業員Bさん
「やってることが無茶苦茶ですね」
 
 
 作業員の証言から明らかになったのは、内部被曝の危険。
 内部被曝は、呼吸や食事等を通じて放射性物質が体内に取り込まれることで起こります。
 体内に長く留まり放射線を出し続けるため、臓器が長期間に渡って直接被曝する危険があります。
 どれぐらい内部被曝しているかを測定する装置。
 東京電力の基準では、1500カウントでを超えると再検査が、7500カウントを超えると精密検査が必要だとしています。
 
 この作業員達は現場を出た後の先月受けた検査で、500カウント~8000カウントと、基準値を大きく越える値を告げられました。
 
 中には、基準値を50倍も越える8万カウントに達した作業員もいたということです。
 
 
作業員Aさん
「(放射能は)目に見えないからだと思うんだけどもね、2~3年後とかに何か出て来たら、その時に後悔するんじゃないかな。」
 
 
 何故こんな事に。
 現場で使われている全面マスク。
 この男性(Aさん)は、相次いだ水素爆発の直後、作業中に足場などにぶつかってフィルターが取れ、放射性物質を含む外気を吸い込んでしまったといいます。 
 
作業員Aさん
「これ(フィルター部分)ぶつけると外れちゃうんですよ。
 外れちゃったらもう、外の空気を吸う。」
 
 
 更に、待機していた場所にも問題が。
 その場所とは。
 
 原発で復旧活動の拠点となる、免震重要棟。
 地震の後、暫くは建物の入口が歪み、扉が完全に閉まらない状態になっていたということです。
 外から放射性物質が入り込み、建物の中でも放射線量が高い状態が続いていたということです。
 
 更に、内部被曝の検査を受けていない作業員が多いこともわかりました。
 厚生労働省によりますと、検査を受けたのは、作業員7000人の内5分の1に留まっています。
 
 
 中には、内部被曝の検査が必要な事さえ知らなかった作業員もいました。
 この二人の男性、勤務する建設会社から、「現場は火力発電所だ」と説明されましたが、実際に連れて来られたのは、福島第一原発でした。
 
 
作業員Bさん
「白い服着てマスクしている人ばっかで、凄いなと思ったんですよね。
 俺らも、あんな格好して行くのかなって…。」
 
 
 男性が原発で作業をするのは、今回が初めてでした。
 高い放射線量が測定されている原発の近くで、瓦礫の撤去にあたりました。
 
 男性は、一時は線量計を持たないまま作業にあたり、被曝量を記録する手帳も持たされていませんでした。
  会社に不安を訴え、ようやく内部被曝の測定を受けられることになりました。
 
 
作業員Cさん
「自分でどれだけ(放射線を)浴びているかもわかんないし、これから先は不安ですね、やっぱり…。」
 
(中略)
 
 東京電力は、内部被曝の問題を把握しているとした上で、通常は3ヶ月に一回の検査の回数を増やすと共に、作業員全員に検査を徹底したいと話ています。
 
(以下略)



 この事に対して作業員Aさんは、
「東京電力はわかってるのか、俺らがどう言う苦労をしているのか…。」
と声を荒らげていた。
 
 
 
いまだに、作業員の大半が内部被曝の検査を受けていないそうである。
 
 
そもそも原発は、健全であっても、作業員の被曝は避けられないのだそうで、震災以前からこのような作業環境だったのではないかと聞く。
 
いつだったか、拙ブログで、「まるで『銀河鉄道999』の最終章を彷彿とさせる…」と書いたのは、『銀河鉄道999』を見られた方ならすぐにわかると思うが、宇宙のあちこちから集められた人類の魂を一つ一つの部品として築かれた建物が壊れて行くシーンと、原発の営業の実態が、脳裏でダブって見えたからである。
 
 
 
>東京電力は、内部被曝の問題を把握しているとした上で…?
 
 
人を人とは思わない、恐ろしい会社である。