タレント、ビートたけし(64)が、11日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル春の3時間SP」(後7・0)の収録に東日本大震災の被災者を招き、徹底討論した。収録後、サンケイスポーツの取材に応じ、所属事務所スタッフの肉親が震災の犠牲になったことを吐露。番組で、被災者の訴えに自らの気持ちを重ね、国の危機管理に疑問を呈した。
また、自身も“節油”のため高級車からワンボックスカーに乗り換えたことを明かした。
いつもは毒舌で世相を斬りまくるたけしだが、戦後最大の危機に直面した日本の現状に心痛を隠せなかった。
11日放送の「TVタックル」は、「未曾有の大地震から1カ月…危機管理&統一地方選大反省会SP」と銘打ち、東日本大震災と福島第1原発の事故を徹底討論。
番組には津波で友人、漁業会社を失った宮城・気仙沼市の臼井荘太郎さん(39)と、放射能の風評被害に直面した福島・南会津郡の浅沼喜恵子さん(61)が駆けつけた。臼井さんは「一刻も早くがれきの山を撤去し、遺体を捜索してほしい。政府対応が遅く、自腹で行う地域もある」と涙ながらに訴えた。
その言葉を聞いたたけしは収録後、気仙沼市出身の事務所スタッフの肉親が震災の犠牲者になったことを告白。「父親の遺体は被災現場で見つけたんだけど、安置所に移動する前は触ることもできない状況で、毛布をかけて帰ってきたって。母親は、まだ見つかっていない」と語り、「死者・行方不明者が2万人を超えたじゃなくて、家族、友人の死という個人問題が2万件、一斉に起きたと考えないと」と苦渋の表情を浮かべた。
被災地の訴えを、親身になって聴き入ったたけしは「一番、国が大変な時に、リーダーが『責任取る』と大見えを切れなくてどうするんだよ」と指導力を発揮できない菅直人首相(64)を糾弾。
また、ガソリン不足に対応するため、ロールスロイスから排気量を考えてワンボックスカーに乗り換えたことを明かした。「薄汚れた車になった途端、ガードマンが邪険になった。『たけしが乗ってるはずがない』と、止められる」と笑わせた。
番組冒頭では、「頑張る」と真顔でお茶の間に宣言。「俺も映画(『アウトレイジ2』)の撮影が先延ばしになって大損」と苦笑しつつ、“頑張る”日本を鼓舞した。
(サンケイスポーツ 04/11 08:03)