「擬人法」という言葉をウェブ検索すると、デジタル大辞泉の解説に、
「人間以外のものを人間に見立てて表現する修辞法。「鳥が歌う」「風がささやく」の類。」
とある。

そして、釣りに用いる虫餌の代表格に、ゴカイという生物がいる。
画像を貼ろうかどうか迷ったのだが、この手の細長い虫は苦手な方が多いようなので、興味のある方は画像検索にてご覧頂きたい。

例えば、このゴカイを擬人化するとどうなるのか。
ゴカイの視点で、釣り人との関わりを、好意的に文章にしてみよう。



私(ゴカイ)は、寒い所(クーラBox)で眠っていたみたいです。
だから、ご主人様(釣り人)に出会う前の記憶がありません。
本当は水の中で生活している筈の私が、何故陸上にいたのか全く分からないのです。
ご主人様は私の冷えた体に砂をまぶして温めてくれました。
きっと優しい方なんですね。
その後ご主人様は、私の体に透明な糸の先にあるフックを掛けて、海に帰してくれました。
フックを掛けられる時ちょっと痛かったけど、海の中は危険がいっぱい!
きっと何かあったときに、すぐに助けてくれるつもりだったんだと思います。
海に帰ってしばらくすると、向こうから大きな魚がやって来ました。
私は怖くなって叫びました。
「ご主人様!ご主人様!!」
でも、ご主人様は海の上。
私の声は届かなかったみたいです。
私は、魚に食べられてしまいました。
その時です。
私が危険な目に合っているのに気づいたご主人様が、糸を引っ張ってくれたのです。
私は魚と一緒に海から引き上げられて、またご主人様に会うことができました。
でも、魚に噛まれた傷が酷くて、意識が遠のいていきました。

ご主人様、助けてくれてありがとうございました。
でも私はもう駄目みたいです。
さようなら。



まあ、このように、かなり無理矢理ではあるが、小さな虫などを擬人化すると、可哀相で何も出来なくなってしまうのである。

虫の気持ちを考えると蟻も踏めなくなる。

だから、アース製薬さん。
「いい臭いだな~!」
「ちゃんと足拭いて入りなさい。」
とか、
「動けないよ~!」
「動けないなぁ~!!」
などといったセリフを、ゴキブリに言わせるのはやめて頂きたい。

ゴキブリホイホイが使いにくくなるではないか。



いや、もしかしてあれは、動物愛護協会の陰謀か?