伝わらなくても、何度でも | 続・伸楽舎の日々

続・伸楽舎の日々

看板もない小さな塾で、愚直に頑張る生徒を応援している塾長夫婦(&時々ワンコ)の日々を綴っています。

 

保護者の方も含め、

生徒たちにもよく話をします。

「国語ができれば

受験に半分は合格しているようなもの。

だから国語は真面目に勉強しなきゃ

絶対にいけないんだ。」

と。

しかし、

これが何度言っても伝わらりません。

その場では

「分かりました。」

と言っても、

大半は本気で勉強をしていません。

良くて漢字練習、定期テスト用のワークくらいかな。

で、そんな塾生の国語のテストの成績は…

定期テストでさえ7割もいかない、

実力や新教研の結果は

見れたもんじゃありません。

高校生のテストの結果なんか、

まぁ恐ろしい…(笑)

 

確かに国語は目に見えて成績が上がっていることを

実感しにくい教科です。

大切なのは、

まずは週に一度、

初見の文章に真剣に向き合うこと。

わからない語彙を拾い出して、

辞書で調べ、

理解すること。

そして出題者の意図を汲み取り、

解答する練習を愚直に行うこと。

この一連の勉強が

ほんの少しずつだけど

確実に国語の力をつけてくれます。

そして、

その力は間違いなく他教科に同心円状に波及します。

さらに、

いろいろなジャンルの文章を読むことで、

自分でも思いがけないところに

興味関心が広がっていきます。

例えば過去のセンター試験で

日本の庭とヨーロッパ式庭園の違いに関する文章が出題されました。

ヨーロッパ式庭園は花壇や噴水の配置が左右対称に置かれ、

幾何学的図形を成しており、

その対称性を美しいと感じる。

しかし、

日本は庭の木々で季節の移り変わりを楽しむ。

春に綺麗な花を咲かせ、

夏は青々と葉が茂り、

秋には紅葉を楽しみ、

冬は枯れた木々に積もる雪を愛でる。

しかしながら、

日本の代表的な庭としてしばしば紹介されるのは

枯山水で有名な「龍安寺石庭」。

自然の木々を一切使わず、

一面に白砂を敷き、

それを海面の流れに準えたり、

岩を島に見立てた、

いわば変化を伴わない庭。

なぜこの庭が日本の庭の代表とされるのか。

そんな内容の文章でした。

この文章を読んで、

「庭」というものに興味を持ち、

そこから建築学を学びたいと

建築学科に進学した教え子がいました。

実際にこんなことがあるんですよ。

思いがけない、

しかし、それが自分の進む道を決定づけることが。

ジャンルを問わず文章を読む習慣は、

絶対に低学年のうちに身につけさせるべきだと

私は強く感じています。

いろいろ読んでみて、

興味を持てなければそれでいいんです。

たくさん読んだ中で、

何か1つでも印象に残るフレーズが見つかれば

こんな楽しいことはありません。

 

誤解を恐れずに言うなら

小中学校の国語の授業は、

真剣に読めば10分もかからない文章を

1ヶ月もかけて解釈の授業を行う、

そんな感じ。

これでは語彙力も含め、

国語力は伸びていかないと私は思っています。

国語の力つけるためには

「多読」は必要不可欠。

国語は最優先に低学年のうちから取り組むべき科目です。

 

「国語ができる子が受験を制する」

私の持論です。

何の疑いもなく、私はそう信じています。

それは、私の過去の教え子たちが

ちゃんと証明してくれています。

まぁ何度言っても伝わらないけど、

それでも今後も言い続けますよ。

砂漠に水を撒くような作業ですが、

いつか砂地からひょっこりと芽が出ることを信じてね。

 

【お知らせ】

塾生定員に1名空きができましたので募集します。

対象は

高校1年生及び中学2年生以下の学年です。