THE CLICK FIVE 『TCV』 | close to the edge

close to the edge

音楽の話が出来る人が周りにいないので、ここで独り言でも・・・

ポップ/ロックのジャンルで最近のバンドに、以前に比べて
‘ブリティッシュらしさ’、‘アメリカンらしさ’、といったお国柄
を感じることが少ない。

インターネットを通して、どの国の音楽だろうと簡単に聴く
ことが出来る時代に生まれて来た人達が作り出すものなの
だから当然なのかもしれない。

例えば特に70年代、海外を旅し、その土地で出会った土着
の音楽のエッセンスを自分の中に取り込み、新たな音楽を
創造していたミュージシャンも多い。

それの疑似体験が自分の家に居ながらにして出来てしまう
現代。

それならば、もっと体験したことのない未知のジャンルと融合
した音楽が出て来ても良さそうなものだが、余りそういう状況
にはなっていない。

むしろ音楽の画一化、平均化が進んでしまったように思える。

良いところ取りしたら結果似たり寄ったりになってしまったのか。
冒険に打って出る変わった人達が報われていないだけなのか。
はたまた、悲しみの‘売れる’理論によってそうなっているのか。



THE CLICK FIVE 4年振り3rdアルバム 『TCV』。

音楽雑記 ~gowest85~


アメリカはボストン出身ながら、極めて‘ブリティッシュな’ポップ/
ロック・バンド。

実際1stや2ndのジャケットなどブリティッシュ・ビート・バンドを
意識していることが伺える。

1st 『Greetings from imrie house』

音楽雑記 ~gowest85~


2nd 『Modern minds and pastimes』

音楽雑記 ~gowest85~



よく練られたメロディーを丁寧なアレンジで、という普通なことを
普通に聴かせてくれる、しかし今時にあっては却ってそれが
新鮮に聴こえるバンド。

今作も一曲目『I quit! I quit! I quit!』のイントロから、すぐに
心を掴んで離さない安心の“THE CLICK FIVE”クオリティー。

ただ今回は1stや2ndとは全く異なるイメージを打ち出してきた
アルバム・ジャケットにも象徴されるように、ほんのりアメリカン
な香りも漂う。

アルバムには
「This record has been
  a long, exciting, grueling, and amazing process」
なんて言葉がクレジットの最初に書かれていたりして、かなり
産みの苦しみがあったと思われるが、充分それの成果が出て
いる良いアルバム。


『I quit! I quit! I quit!』





このバンドで一番好きな曲、2ndから 『Jenny』