今朝の記事にでてきた一番風呂争奪戦が気になって気になってしょうがない読者のみなさん。
書いた書いたぜ銭湯の乱2010![]()
あ、すみません本当は1月2日にミクシーに書いたやつからもってきたんです(^_^;)
まぁ、暇なら読んでくれ☆
っていってるオレが実は一番ヒマなんです・・・
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毎年数々のドラマを繰り広げる箱根駅伝。
am8:00にその号砲が鳴って一時間後、
東京都府中市のあけぼの湯前にもまた決戦の合図を待つ男達がいた・・・
オレは朝練を終え、軽く朝食を済ませると「あけぼの湯」へ向かった。
狙うは一番風呂。
そう、一月二日の朝一番こそ真の一番風呂なのだ。
自転車を飛ばして開店時間の約10分前に到着。
しかしそこには既に5~6人の、同じく一番風呂を狙う猛者達の姿が。
そしてその誰もがベテランである。
すこし時間があるな、と隣のセブンへ年賀ハガキを買いに行ったところ、
出入り口のそばに佇むおじいちゃんが一人。そしてその手には、
「お、お風呂セット・・・だと!?」
そう、彼もまたライバルの一人なのである。
結局無地の年賀ハガキは売り切れ。
仕方なく銭湯前に戻る。
うっあぁーーーと背伸びをしながら、水面下でガンガンに燃えるオレのハート。
と・・・
ガラガラガラーーー
いきなりシャッター音が。
「明けましておめでとうございます!」
なっ!ちょっ、ちょ、ちょっとまて!まだ4分前だぞ!
どうやら客が並んでいることに気付いた店主が早めに開店させたようだ。
不覚!
完全に出遅れた!
「戦場には魔物が住む」とは言い得て妙である。
結局4番手で入場。
「落ち着け、落ち着くんだオレ!」
受付でお金を払うとヤクルトをくれた。
「もう給水ポイント?早すぎだろ。オレは飲んでいる暇なんて無いんだ!」
と言わんばかりに、軽く会釈をすると足早に暖簾をくぐるオレ。
とそこには従業員のおばさんが。
「お客様!ここは女湯ですっ!」
「えっ?あ、あっ、すみません!」
だめだ、完全に気が動転している。
女湯の暖簾も青だからてっきり男湯と思い込んでしまったというミス。
いつものオレなら絶対にやらないミスだ。
ちなみにおじいさんが一人、オレにつられて女湯に入ろうとした。
「いけねぇ。言われなかったらそのまま女湯入ってたよ。はっはっは!」
その声に少し緊張がほぐれるが、順位を二つ落とし6番手で男湯入口を通過。
「冷静に、冷静になれ。これからいくらでも挽回はできるんだ。」
ロッカーを開けると素早くお風呂セットをカバンから取り出し上に置く。
そして脱ぐ。ソッコー脱ぐ!!
ちらりと横を見ると、一番手で入ったヒクソン・グレイシーのようなガタイのおっさんが体重計に乗っていた。
「体重計だとっ!?400戦無敗だからって余裕ぶっこいてやがる!!」
執念の「脱ぎ」で、順位を2位まで上げ浴室へ。
「勝負だ!ヒクソンっ!」
オレは「洗い」に全ての望みを託した!
だが・・・
おっ、ちょっまっ、まてまてまて!マジかよ!
そこには「洗い」をカットしていきなり湯船に入るおっさんの姿が・・・
一番風呂を奪われた。
それは、幼なじみの女の子が見知らぬ男に処女を奪われた時の気持ちに似ているかもしれない・・・
がしかし「湯船に入る前に体を洗う」というのは銭湯の掟。
彼は反則負けということでオレは真のチャンピオンを狙う。
危なかった。おっさんが湯船に入る瞬間に「まいっか」という気持ちが頭をよぎり、つられてオレも反則負けになるところだった。
ヒクソンは戦線除外ということになり「洗い」に入った時点でオレが暫定1位である。
このままいけばオレの勝ちだ!
蛇口からお湯を洗面器に溜めるのはタイムロスになるので、湯船のお湯を直接すくって頭からバザバザとかぶる。
携帯用シャンプーを手に取り頭を素早くかき回す。
そして流す・・・と思いきや頭はそのままで体を洗いに入る。
これにより「流す」の行程が一回省けるわけだ。
タオルを湿らせて石鹸を塗ると、とにかく速く体をこすりまくった。
コーナーに追い詰めた敵に怒涛のラッシュをかけるがごとく・・・
シャンプーの泡に閉ざされた目を半分開き、シャワーの取っ手をひねろうとした時、オレは気付いた。
そう、隣で洗っていた人の気配がないことに。
「あれ、さっきまでおじいちゃんがここで洗って・・・
・・・って早っ!!」
そう、彼の「洗い」は神速だったのである。
そして「頭を洗う」という行程も必要としていなかったようだ。
見るからに・・・
勝負には「ルール」と「反則」があり、その中間、いわゆる「反則ギリギリ」というものは時として「上手さ」と称される。
オレは思い出した。トレーナーの言葉を・・・。
「お前のボクシングには、いい意味でのズルさがねーんだよ。まぁこれは経験積んでいく中で覚えるもんだけどな」
今年の新たな課題が見えた気がした・・・
