猛烈な嵐が通り過ぎて、これからはようやく、一日一日、春めいてくるのでしょうか?春めくといえば、久しぶりのベースアップに踏み切る企業が出てきたり、街角景気も上向いたり、日本経済にも春の兆しというわけで、アベノミクスの成果を伝える報道が後を絶ちませんが、その一方で、お隣の韓国や中国との緊張関係を伝える報道も一向に減る気配がありません。特に昨年末の安倍首相の靖国参拝が大きな引き金になったことは誰もが知るところですが、この本は、この「靖国問題」にも目を開かせてくれました。
「世界は宗教で動いてる」橋爪大三郎
- 世界は宗教で動いてる (光文社新書)/橋爪 大三郎

- ¥798
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「ふしぎなキリスト教」は、表題通り、あくまでもキリスト教と西洋文明との関係がテーマでしたが、本書では、キリスト教に止まらず、イスラム教とイスラム文明、ヒンドゥー教とインド文明、中国文明と儒教や仏教の関わり、そして神道を中心とする日本人にとっての宗教…といった具合に、さまざまな宗教と文明の成り立ち方の関係を、対比的に紐解いていきます。そして、たとえばアメリカの個人主義や中国における現行の共産党体制などの背後にある、文化圏によって異なる人々の根本思想の違いと、そのさらに背後にある宗教上の教義の違いや神と人間の関係性などが次々と浮き彫りにされ、「なるほど」と腑に落ちることしきりです。
日本人にとっては実感しにくいかもしれないけれど、宗教の違いが、さまざまな文明を形作っている、あるいはその逆も真であり、確かに表題通り、世界は宗教で動いているという面もあるのだろうなぁ…と深く納得しました。そして、世界で起こっているさまざまな出来事に対するものの見方が1つ増えたようでもあり、少し嬉しかったりします(笑)
本書では、さまざまな宗教と文明の関係を取り上げながら、最後は、日本人と宗教との関わりの中で、国家神道の誕生や靖国神社創建の経緯などにふれています。これらの経緯には純粋に宗教的とはいえない多分に政策的な意図が絡み、さまざまな問題を孕んでいることが窺えます。本書は問題提起で締め括られていますが、僕たちは、安易なナショナリズムに陥ることなく、より深く学び、考えることが大切と感じました。
安易なナショナリズムといえば、今夜のニュースで、浦和レッズサポーターによる“JAPANESE ONLY”の垂れ幕を試合終了まで撤去しなかったことで、球団が重い処分に処せられたという報道がありました。「おもてなし」の心でオリンピック開催地に選ばれたこの国でです。とても残念な気持ちになりました。僕たちは、もっと世界とともに生きなければいけない…
こういった意味では、この本は、日本の片隅に暮らす僕にも、世界に目を向けさせてくれる、世界と日本の関わりについて考えさせてくれる、そんな楽しい読書体験でした。おすすめです。
こういった意味では、この本は、日本の片隅に暮らす僕にも、世界に目を向けさせてくれる、世界と日本の関わりについて考えさせてくれる、そんな楽しい読書体験でした。おすすめです。


