私がアドバイザー として参加させていただいているぐるっぽ「中小企業診断士を独学で目指す!」http://group.ameba.jp/group/SutZ4dwWS4VD/ で、「減価償却」に関する質問をいただきました。有難うございます。『減価償却の財務的効果の観点からは、投下資本の回収になる』とテキストに記述されている。減価償却を行ったからといって、固定資産を取得したお金が返ってくる訳ではないのに、何故このように記述されているのか?という内容でした。



まず、減価償却の意味について調べてみましょう。

有形・無形の固定資産のうち、土地を除く資産は、時間を経て使用を続けることにより、経済的な価値が下がり、最終的には価値がなくなる。価値の低下を事前に考え、その額を会計期ごとに見積もって費用として把握するのが減価償却費である。また、その額を貸借対照表の固定資産価額から控除する手続きが減価償却である。但し、費用とはいっても減価償却費は実際の支出を伴わないので、事実上は固定資産へ投下した資本の回収という役割をもっている。



上記の減価償却の説明における太字アンダーラインの箇所が質問に対する回答になるのですが、わかりづらいので具体例をあげて説明します。


(例)機械装置2,000万円を購入。耐用年数5年。残存価額0。償却方法は定額法とする。

この例の経済取引は、言うまでもなく資産の購入である。現金で購入したケースで考えると、2,000万円を支払った以降は原則支出が発生することはない。



一方で、この機械装置に係る減価償却費が毎期400万円発生することになる。すなわち、先述のように支出が発生しないにも拘わらず、費用計上しているのである。企業の簡易的な例を交えて以下に記述します。



(企業aの損益計算書内容)

売上:1,500万円 売上原価:500万円 人件費:300万円 減価償却費400万円 その他販売管理費:100万円

企業aの営業利益を算出します。

1,500万円-(500万円+300万円+400万円+100万円)=営業利益200万円

次に、企業aの現金収支を計算します。

1,500万円-(500万円+300万円+100万円)=収支差額600万円



(企業bの損益計算書内容)

売上:1,500万円 売上原価:500万円 人件費:300万円 その他販売管理費:100万円

企業bの営業利益を算出します。

1,500万円-(500万円+300万円+100万円)=営業利益600万円

次に、企業bの現金収支を計算します。

1,500万円-(500万円+300万円+100万円)=収支差額600万円



このように減価償却費の計上が400万円ある企業aと減価償却費の計上がない企業bの営業利益ベースでは、企業aの方が減価償却費を計上している分、少なくなっているのに対して、収支差額ではイコールになっています。言い換えれば、営業利益は200万円しかなくても収支差額が600万円となっている、つまり、400万円(減価償却費計上額相当分)を回収(利益に加味)しているのと同等の効果があるわけです。 よって、減価償却は投下資本の回収という役割があると言っているのです。ご理解いただけたでしょうか?よろしくお願い致します。


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