2024年度 大阪大学 理系 数学 講評

 

解答速報はホームページに掲載しております。

 

作成にあたってチームの代表である友成くんの講評です。

あくまで解答速報を作成した学生目線であることをご留意ください。

 

友成くんのプロフィール

一橋大学ソーシャルデータサイエンス学部

無類の数学好きで趣味は作問。現在までの作問数は500問にも及ぶ。その結果、東大オープンの理系数学満点を筆頭に、東大模試の理系数学で1桁順位を4回記録JMO2022予選では全体9位タイの成績にて本選へ進出。ただ数学にのめり込むあまり、英語と国語を疎かにし、前期は東大に3点差で落ちてしまう。後期で一橋大学へ(数学満点)。

 

ゴウカライズ数学チームの友成による、 大阪大学2024年の理系数学の問題の難易度評価/感想です! 

 

各問題の難易度は、 

A: 絶対に取りたい問題 

B: ぜひとも取りたい問題 

C: 取れると差がつけられる問題 

D: 取れると大幅に差がつけられる問題 の4段階で評価します。 

 

阪大理系 

1: B 極限の問題で、解についての議論をどのように行うかが鍵となる問題です。 これより少し難しいですが、類題として東大2019-5を紹介しておきます。 

 

2: C 複素数の問題で、条件の処理に悩む難問です。 複素数の問題で絶対値についての条件が与えられた際は絶対値の中身ごと別の文字に置き直す(それを1つの塊と見て変形する)と上手く行きやすいという事を知っておくと強いです。 この方針での簡潔な解答例はゴウカライズのHPの解答(http://goukalize.com/sokuhou)にて掲載しています。 

 

3: C 空間ベクトルの問題で、今年話題の「ねじれの位置」についての問題です。 設定が抽象的であるため自分でベクトルなどを設定する必要があり、かつての京大理系数学の趣を感じます。試験本番では手をつけにくいタイプの問題でしょう。 

 

4: A 体積についての問題で、方針は典型的な回転体の体積の求め方を考えるのみで良く、計算も重くないため、確実に完答したい1問です。 

 

5: C 整数の問題で、包除原理の理解も必要です。 (1)の誘導もあり、方針は立ちやすいのですが作業量が重く、本番で答えを合わせるのは難しい問題でしょう。 また、f(n)という関数はオイラーのφ(ファイ)関数と呼ばれるもので、(1)で問われているのはφ関数の乗法性と呼ばれる性質です。 φ関数については入試題材となっている事もあるので、興味がある方はφ関数に関する次の命題を証明してみてください!(どちらも難しいです!) [ I ] nの正の約数の個数をd(n)で表し,nのd(n)個ある正の約数をa₁,a₂,...,a_{d(n)}と表すとき, Σ[k = 1 ~ d(n)]φ(aₖ) = nとなることを証明せよ. [ II ] a,nを互いに素な正の整数とするとき, a^(φ(n)) ≡ 1 (mod n) が成立する. (オイラーの定理(数論)) 

 

<総括> 2,3,5と難しい問題が過半数を占めており、かなり難化しているように感じました。 試験戦略としては、1,4を完答した上で2,3,5から1問完答を取るか部分点を取り切るかが出来れば上出来だと思います。

 

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