私の教室に来る生徒は初めから算数が得意なわけではありません。むしろ苦手な子が多いかもしれません。特に女子はそうです。どちらかと言うと
「算数はややきらい」
とういう子です。
でも、卒業時、つまり入試の頃には例外なく
「算数が一番好き」
という子になって巣立っていきます。どうしてなのでしょうか?
卒業生のなかでも、特に算数が上達した女の子たちの話を紹介しましょう。少しでも参考にして、算数の成績を上げて、合格してください。
Mさんが初めて教室にきたのは、彼女がまだ3年生、いすに座ると足が床に届かないので、ついぶらぶら。注意をされると大粒の涙がぽろんと落ちました。
でも、くじけることなく電車で通ってきました。国語は得意なのですが、算数はあまり好きではないようでした。3年生ですから、受験の基礎をしっかりと作りました。特に1桁の数で割る割り算を暗算でする稽古をしっかりと、何度も何度も繰り返しました。そして、どんどん先取り学習もしていきました。
彼女の成績は自然に、自然に上がっていきました。一度も猛勉強に追い込んだことはありません。宿題を課したこともありません。
授業をしっかりと、楽しんで聞いていました。まるで紙芝居でもみるような感じで。説明をしっかりと聞いた後、板書をノートしていました。ノートをとるときには授業の内容を「はんすう」するように納得して、まるで心に書き写す、そんな風に見えました。これは今日のテーマの「算数が得意になった女の子」に共通する姿勢でもあります。
そんな日々を過ごすうち、いつの間にか彼女は算数が一番好きで一番得意な科目になっていました。
6年生の秋にR社のプレテストを受けました。算数100点、国語99点、堂々の1位です。
そして、実質競争率6.4倍の第一志望の 奈良女子大付属中等教育学校に合格して、楽しそうに学園生活を送ったと聞きます。
彼女は
「教室では特別なことをしなくても、特別にがんばらなくても、ふつうにしていれば、ふつうに過ごしていれば自然に成績は上がっています」と後輩たちにメッセージを残して古都に巣立っていきました。