【実践編15】賃金不払残業1/2 | 紛争解決手続代理業務試験合格への手引き

【実践編15】賃金不払残業1/2

賃金不払残業

労働基準法第37条第5項、労働基準法施行規則第21条

■重要度 = 高



■ポイント

1、割増賃金の算定基礎から除外する賃金(限定列挙)

① 家族手当

② 通勤手当

③ 別居手当

④ 子女教育手当

⑤ 住宅手当

⑥ 臨時に支払われた賃金

⑦ 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金


⇒ 限定列挙ということは、これ以外に支給される賃金は、割増賃金の算定基礎に含めなければならないということ。ただし、算定基礎に含めるべき賃金を除外しても、割増率が高いため、労働基準法に定める計算よりも高額な割増賃金が支払われている場合、法律違反とはならないことになる。なお、算定基礎に含めない賃金に該当するかは、名目ではなく、実質によって取扱うべきとされている。(昭和22.9.13基発17号)



2、割増賃金の固定払い

割増賃金の固定払とは、あらかじめ残業することを見込んで、残業代を固定額で支払うことをいう。平成19年のマクドナルド判決のインパクト以来、管理監督者扱いで支払われていた役付(役職)手当を割増賃金の固定払いに切換え、実残業の額が固定払いの額を超える場合にはその差額を支払という取扱いをする企業も増えてきている。



3、労働時間・休憩・休日の適用除外者

① 農業・水産業の従事者

② 管理監督者機密取扱者

③ 監視又は断続的労働従事者



4、管理監督者

管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある者をいい、役職の名称にとらわれず、実態に即して判断するべきとされる。