問題を解くときに、一番重要なことは何か。
それは、「常に一定の処理手順に従って」解答をすることです。
自分自身、このことに気づいてから、およそ試験というものに対してかなり強くなりました。
問題は、具体的な事象です。
これに対して、抽象的なルールをあてはめて一定の解答をする。これが重要です。
例えば、次のような問題を検討してみましょう。
許認可等の申請に対する処分について、それに対する取消訴訟の判決の効力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
申請を拒否する処分が判決により取り消された場合、その処分をした行政庁は、当然に申請を認める処分をしなければならない。(H30-17-3)
問題を読んだ時に、
「んー、判決により取り消されたんだから、申請を認めろってことだよね。だから、○かなぁ?でも、『当然に』というのが引っかかるなぁ。『当然に』といわれると何か違う気がするし…うーん。」
となっている場合、問題を解く作法が全くなっていません。
(しかし、自分が過去そうであったように、こうやって問題を解いている方はかなり多いはずです。)
この問題を解く際の正しい思考過程は、以下のとおりです。
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許認可等の申請に対する処分について、それに対する取消訴訟の判決の効力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
この問題は、「判決の効力」に関するものである。
肢3は、取消し判決が出たら、当然に行政が申請を認めなければならないか否かが問われているから、判決の「拘束力」について聞いている問題だ。
(このように、学習してきた「何について問う問題なのか」をしっかりと把握することが重要です。具体的な問題を抽象的なテーマに落とし込んでいるわけです。)
判決の拘束力により、行政は、同一事情の下で、同一理由・同一内容の処分をすることができなくなる。
確か、そういうルールだったはずだ。
とすれば、本問でも、事情が変わっていたり、違う理由があったりした場合には、申請を認める処分がされないこともあるよな。ということは、「当然に」申請を認める処分が出るというのはおかしい。これは誤りだ。
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いかがでしょうか。
上記の思考過程は、具体的な問題に対して、「判決の拘束力」という抽象的な知識を思い出した上で、しっかりとあてはめて解答をしています。
このような解答手順を踏むことにより、問題は「解ける」のです。
このように考えると、問題が解けない原因はとてもシンプルで
① 問題文から論点想起(テーマの把握)ができない
② テーマは把握できたが、そこに関する知識が曖昧である(あてはめるルールを思い出せない)
③ あてはめる段階で、間違えてしまった(いわゆるケアレスミス)
のいずれかになります。
このような観点から、日々問題は読んでいくとよいでしょう。
なお、もしこのような問題意識に興味があり、現在余裕があるという方はぜひ以下の書籍を読んでみると良いと思います。非常に良書です。
(知的冒険2は、子育て中の方にぜひ読んで頂きたいものです。)
こらの書籍は、知識の抽象化、知識の思い出し方についての本質を教えてくれます。
自分も、非常に感銘を受けた一冊です。
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