ついに看護部長と面談した。
かなり引き留められた。
ベテランが多い病棟で、
雰囲気を変えていけるのはあなただと思う、って。
でもまあ、現実的な話だと、
ベテランが変わらない限り、雰囲気は変わらない。
俺みたいな若輩者がベテランに働きても動かないし、
主任はベテランの肩をもつし。
なにより、一部の人しか、若い人に興味を示さないのが問題。
自分のことして、それで終了。
「新人? わたしは何すればいいの?」
「わたしは新人のこと知らないから、何もしない」
なんて言葉が平気で飛び交う職場。
新人が育たない、新しく来た人がなじまない現場だって師長は嘆いている。
そりゃそうだ。
俺は、チームリーダーとして、正直そういう雰囲気を変えたかった。
だから、なるべく笑って、なるべく冗談を言って、みんなに声掛けて、
ベテランにもちょっとしたことでも相談(という名のコミュニケーション)して、
若い人と飯食いに行ったり、時に酒を飲んだり、
若い人をいじるときにはベテランも巻き込むようにいじってみたり、
そんなことを意図的にこの1年以上続けてきた。
鬱陶しいと思われてたかもしれない。
でも、そんなことでも、少しは雰囲気づくりになるんじゃないかって、
新しい人にとって居心地が少しでも良くなるんじゃないかって、
期待してたけど、やっぱり、難しかった。
新しく来た人はすぐに辞めてしまったし、
新人はずっと異動したいと言う。
新人が「こういうのを見たい、したい」って言ったとき、
俺は主任にじゃあその人の受け持ちはどうかって言った。
勉強してないとか、いきなり見るには重すぎる、
見てもフォローする人がいない、
そんなこと言われて、結局、見せることができなかった。
もちろん、その日の部屋持ちになった人が、
新人に見せることも、説明することも、観察を一緒にすることもなかった。
そういうことが、若い人のモチベーションを奪うことになるってのも、
気づいていないんだろうか。
急性期の病棟だし、そりゃ忙しいし、緊張感はある。
命を預かる現場だもの。
周りにまでかまってられないって事情も、そりゃわかる。
俺だって、バタバタしてるときに、
新人の動向なんて気にしてられないことこともある。
でもなぁ……。
もう少し、周りへの無関心をどうにかならなかったものかなぁ。
そう嘆いても、もう俺も疲れたから、辞めるんだけどね。
実家の事情もあるしね。
8月末まで、あとカウントダウンは78日。
就職活動しないとね。
あと、退職届もかかないと。
