『没後50年松林桂月展 水墨を極め、画中に詠う
このうえなくエレガントな日本画』
http://www.yma-web.jp/exhibition/special/archive/matsubayashikeigetsu/about/index.html
行って来ました!
堪能しました、日本画!
ああ、墨と筆をどうしてこう自由にあやつれるのか・・・
繊細、緻密
ポスターになっている月に浮かぶ桜を没骨法で描いた『春宵花影』の美しさ
長門峡がモチーフとなった山水画の岩肌の表現
幾重にも重なる空気感をごく薄い墨で表現した桜、ぶどう、松、竹、岩、山
美しい色彩の花鳥画
そんな中で心に残ったのは、『老松』と題された横長の画面に描かれた水墨の松。龍がうねるような松の大木はなぜかゆったりとあたたかく優しい。
そう思って解説を読むと、母校の小学校の講堂新築に際して校長から依頼され、この母校を愛し続けていた桂月が、後輩達のため特に筆を執ったものということ。そえられた詩は「三斗もの墨を磨って描き上げた一株の松。五葉の松葉をもつこの木は風雨に乗り、夜が更ければ時を得て、変化して龍と変じるのだ」という意味。墨を磨るということが象徴する勉学によって、児童たちが成長の後雄飛することを期待している。
こんなすてきな絵をいつも目にすることができた子ども達は幸せだなあ!
今も子ども達が目にすることができるところに飾られているのかなあ?
しまいこまれていたらもったいないなあ。
飾られていたとして、派手な色彩に囲まれた現代の小学生はちゃんと良さを感じてくれるかなあ。
私も感じた桂月のストレートな愛情、きっと伝わるはず。
絵のもつ力を感じて、お腹いっぱいの展覧会でした。