めに、仕掛ける機を逸していた。
「やっべぇなあ。やる気なくなっちまうな」
グンツは大きくため息をついた。その隙をアルフィリースは見逃さない。
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「オーリ!」
無言で矢を放つことで応えるオーリ。矢はグンツめがけて一直線に飛んで行ったが、グンツはその鋭い矢を欠伸をしながら片手でつかんだ。
「眠てぇなあ。何の仕掛けも魔術要素もない矢で俺がやれると思ったかよ? なんで俺がこいつらヘカトンケイルを率いているか、わかってんのか?」
「ちっ一筋縄じゃいかないか」
「アルフィ、気をつけなさい。見た目にはわかりませんが、奴の後ろの森には続々と増援が到着しています。リサが感知できるだけで200以上。地形も高い場所をむこうに押さえられていますし、かなり不利です」
「そんなことはわかっているわよ!」
アルフィリースには珍しく声を荒げたため、リサはびっくりした。だがリサはあえてアルフィリースを後ろから小突いた。
「荒れるのは構いませんが、策は?」
「あったらこんなに焦ってないわ」
「なら犠牲者覚悟で突破しなければなりません。あなたの周りに腕利きを集中させてください。力づくで突破しますよ」
「でも」
「戦い全てに勝算が望めるわけはないでしょう。これは賭けです。もし私が死んだとしても、それもまた運命の内。もっともただでは死にませんが」
「」
そうリサに言われても、アルフィリースは即決などできなかった。そうこうするうち、グンツが手をすうっと上げた。
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「しゃあねぇ、さっきの緑騎士とやらとどっちが歯ごたえがあるのかわからねぇが、とりあえずやるか」
「緑騎士ですって?」
「さきほどの相手ですね。どうしましたか?」
グンツは後ろの控えていたヘカトンケイルの命じさせて、荷物を寄越させた。その頭陀袋をぽいっとアルフィリースの方に放り投げる。口を縛っていなかった頭陀袋から、中身がこぼれてきた。
「うっ」
「なんてことを」
こぼれてきた中身は、見るも無残なウーズナムの死体だった。両手は落とされ、体は明らかに急所を避けるように傷つけた跡があった。両足はまだ袋に入っていて見えないが、袋のふくらみから察するに、脚がついているとは思えない。
だが信じられないのは、先ほどあれだけ苦戦したウーズナムがあっさりと殺されていたという事実だった。グンツは語る。
「そいつさあ、もっと強いかと思っていたんだよね。確かに俺がチンケな傭兵団の団長をやってた頃は、間違っても戦場で出会いたくねぇ相手だったさ。でもなぁ、俺ってかなり強くなっちまったみたいだ。強くなったからそいつともっと遊ぼうと思ったのに、上手くいかなくて殺しちまった。
あー、つまんねぇな。強くなるってのも。もういいや、なんかしらけちまった。お前達も適当に死んでくれや」
グンツの手が振り下ろされると、ヘカトンケイル達は一斉に突撃を開始した。弓矢ではなく、全員が接近戦用の武器を抜いて襲い掛かってくる。避けられない戦いにアルフィリースが呪印を解放しようとしたその時、彼女達の前に一陣の風が吹いたのである。
「ドゥーム、いいのかしら?」
「何が?」
ドゥームがオシリアに向けるにしては気のない返事だった。クライアとヴィーゼルが夜の森を舞台に戦い続ける中、その上空でドゥームとオシリアは様子を見守っていた。ここにはドゥームもある命令を受けて赴いている。それはヘカトンケイルの一団を貸すので、戦場
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