葛河思潮社「浮標」をみた。神奈川芸術劇場大スタジオ。

間に10分の休憩が2回入って、3時間50分という大作。
でも、まったくあきることなく、舞台に、演技にひきつけられていた。



長塚圭史演出作品は、阿佐ヶ谷スパイダースを何作かみたが、留学から帰ってきてからの作品をみるのははじめてだった。

何かが変わったのかとかはわからないが、とにかくとてもよかった。

阿佐ヶ谷スパイダースの感じも好きだが、今回のは今までで一番よかった気がする。

三好十郎の戯曲で、日中戦争のころの話なので、戯曲としてはかなり古い。
言葉も、今はそういう言い方をしないような、せりふが続く。
でも、すべて心に響いてきた。
もともとの戯曲に、ものすごい力があるのはもちろんだが、演出と、演技で、それがよくわかって、受け入れることができる。


生きるということ、死ぬということ、愛するということ……、とても熱っぽく語られるせりふに、心が動かされっぱなしだった。



主役の田中哲司さんが、あれだけのせりふの量を、しかもあの状況で、あのテンションでしゃべり続けるのは、すごく大変だと思うのだが、だんだん疲れてきたみたいな気がするのも、この役で、最後にもっていくためには、やっぱりあれだけしゃべらなきゃいけないんだな、と思わせられた。
戯曲にかいてあるのはもちろんだか、それをあれだけせりふで、体で表現できているのはすばらしい。

大森南朋さん目当てでみにいったみたいなところもあるのだが、やっぱりステキだったし、他のキャストもみんなステキだった。

その場に出ていないキャストが、まわりで主人公を見守るような演出で、見守っているみんなの表情もよかったし、前から3列目でみられた私も、一緒に見守っているような気になった。

私もあそこで、みていた、すべてを。



評判がよかったので、当日券でみにいったのだが、行ってよかった。

最近、自分の舞台で忙しくて、あまり観劇ができなかったのだが、やっぱり演劇をみるのは楽しい、とあらためて思った。

もっといろいろ、みたい。