デジタル庁創設は〝日本列島改造論〟のパクリ | 八丁堀のオッサン「同時代をポップに『切り裂く』」ブログ

デジタル庁創設は〝日本列島改造論〟のパクリ

 自民党の菅義偉新総裁(次期新総理)は、デジタル庁の創設を宣言しています。

 経済産業省は2018年、「DXレポート~ITシステム〝2025年の壁〟の克服とDXの本格的な展開~」を発表しています。

 DXとは、デジタル・トランスフォーメーションの略です。

 その中身をザックリと説明すると、今のように政府や企業、業界でバラバラにシステムを構築しているとDXを実現できないばかりか経済的損失も大きいので、統一的なデジタルインフラを整備しようということです。

 イメージは、道路です。日本中に張りめぐらされた道路は道幅や信号、標識、制限速度など共通の規則・規格でつくられています。

 だから、誰がどこに行っても安全に通行できます。デジタル領域でも、それと同じことを実現しようということです。

 まさに、かつて田中角栄首相(当時)が進めた〝日本列島改造論〟のようなものです。

 霞ヶ関では、デジタル庁創設に“総論賛成各論反対”の雰囲気です。

 デジタル庁は、日本のすべての役所や企業、国民が直接利用するデジタルインフラを所管するわけですから、その権限は絶大です。

 現在、国のシステムは各省庁が独自のシステムを構築していますが、今後は共通プラットフォーム化が推進されるでしょう。

 たとえばマイナンバーカードと健康保険証、運転免許証などを一体化させようという動きがありますが、マイナンバーカードは総務省、健康保険証は厚生労働省、運転免許証は警察庁と所管が分かれています。

 まずここで、どの役所が一体化されたシステムを主管するのかという問題が起きてきます。

 次にシステムを実際に設計・運用するのはデジタル庁になりますから、主管官庁であってもデジタル庁から「技術や予算的に無理」と言われると何もできなくなります。

 つまり、デジタル庁創設とは、査定庁として絶大な権限を握る財務省がもう一つできるということです。

 全国に税務システムを張りめぐらす財務省も、いずれはデジタル庁に首根っこを抑えられるかもしれません。