新型コロナウイルスの感染拡大で売れ出した商品 | 八丁堀のオッサン「同時代をポップに『切り裂く』」ブログ

新型コロナウイルスの感染拡大で売れ出した商品

 江戸時代、「赤本」といえば子ども向けの絵本のことを指していました。中身は、金太郎や桃太郎などお伽噺などが描かれていました。特徴は表紙が赤色で刷られ、綴じ糸も赤糸が使われていました。目的が、疱瘡を患った子どもへの見舞いの品にするための絵本だったからです。

 当時、赤色には病を軽くする呪力があると広く信じられていました。親は子どもの回復を願い、これを読むことを勧めていたのでしょう。だから、赤本は「疱瘡絵本」とも呼ばれていました。

 最近、新型コロナウイルス感染拡大の影響で子ども向け書籍の売り上げが伸びているといいます。むろん、疱瘡の赤本のような魔よけとは無関係です。感染防止策で休校が続く子どもを退屈させないため親が配慮し、買い与えているのでしょう。

 子どもの読書離れが心配されて久しく、子ども向け書籍が売れているのは出版業界にとって久々の〝朗報〟でしょう。売れ行きの中心は授業を補う学習ドリルだといいますが、続けて図鑑や児童文学の売れ行きも好調だそうです。

 また、非常時には変わったものが売れます。米国では、新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、銃と弾薬が品薄になっているといいます。暴動の発生を恐れる心理が働いているようですが、こちらは怖気の走る〝商売繁盛〟といったところです。