文明の衝突がビバリーヒルズ・ホテルで始まった | 八丁堀のオッサン「同時代をポップに『切り裂く』」ブログ

文明の衝突がビバリーヒルズ・ホテルで始まった

 ビバリーヒルズ・ホテルは、名前のとおりハリウッドのセレブたちが多く暮らす高級住宅街にあります。世界中のアーティストたちから愛されてきましたが、それが今、セレブたちのボイコットに直面しています。

 きっかけは、イスラム教にもとづく厳しい刑法をブルネイ政府が施行したことでした。それが実行されると、不倫や同性愛は「石打ち」による死刑となる可能性もあるといいます。

 実は、イスラム国家ブルネイのボルキア国王がビバリーヒルズ・ホテルなどの事実上のオーナーです。イスラム法の厳罰化に反発した米俳優のジョージ・クルーニーさんらが、ビバリーヒルズ・ホテルを「利用しないように」と声を上げたのです。

 ブルネイの1人当たり国内総生産(GDP)は、東南アジアでシンガポールに次ぐ第2位です。その一方では、植民地時代からのコモン・ローの伝統も有しています。それだけに、宗教にもとづく厳格な刑法の導入は世界的な反響を呼んでいます。

 実際の運用がどうなるか、世界にどんな波紋を広げるか、セレブでなくても気になるところです。