伝説では、オリンピックのルーツは〝買収〟だった | 八丁堀のオッサン「同時代をポップに『切り裂く』」ブログ

伝説では、オリンピックのルーツは〝買収〟だった

 五輪開催都市の決定に当たって、票を買うために国際オリンピック委員会(IOC)の有力者の息子側に200万ドルを支払う仲介をしていたとの疑惑が注目を集めています。

これは。リオデジャネイロ五輪決定でのブラジル五輪委トップの容疑です。仏米の捜査機関と連携して、ブラジル当局が一昨年、逮捕に踏み切っています。

 気になるのは、同じ委員と息子の名が日本でも聞かれることです。東京五輪招致をめぐる贈賄容疑で仏当局の事情聴取を受けた日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和・会長は、記者会見で〝潔白〟を強調しています。230万ドルの支払いは、コンサルタントの対価というJOC調査に沿った説明をしていました。

 古代オリンピックの起源伝説の一つに、不正により王国を乗っ取った男が神の怒りを免れようと祭典を開いたという説があります。この男ペロプスは、ピサの王が娘の求婚者に戦車競走を挑んでは殺してきたことを知りました。姫と恋仲になった彼は王の御者を買収し、王が落車するよう仕組みます。

 レースで王を死なせたペロプスは姫と王国をともに手に入れ、御者も殺してしまうのです。さすがに神罰を恐れた彼は、オリンピアで祭典競技を始めました。もちろん、犠牲の羊も捧げています。

 伝説では、オリンピックは買収から始まっていたのです。