ヨーロッパに目覚めつつある〝白い悪魔〟の正体 | 八丁堀のオッサン「同時代をポップに『切り裂く』」ブログ

ヨーロッパに目覚めつつある〝白い悪魔〟の正体

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は11月11日、第1次世界大戦の終結100周年を記念する式典でこう口にしました。

「古い悪魔が再び目覚めつつある」

 何ともおどろおどろしい物言いですが、国際協調をないがしろにする機運の高まりに強い警告を発したのです。

 マクロン大統領が「古い悪魔」として指弾したのは、世界的に勢いを増しているナショナリズムです。これは世界中で近代的な国づくりに役割を果たしてきたはずですが、第1次世界大戦の教訓を生かせずに第2次世界大戦まで引き起こして欧州を荒廃させた歴史を思うとマクロン大統領の心配もわかる気がします。

 11月11日は、ポーランドにとっても特別な日でした。独立を回復してから、丁度100年に当たっていたのです。これに合わせてワルシャワでは、アンジェイ・ドゥダ大統領の主導で約20万人が市内を行進しています。一時は参加を禁じられた排外的な極右団体のメンバーも、多く行進に加わりました、その光景は、欧州の先行きに不安を募らせるものでした。